家を建てて後悔。売って住みやすい街に引っ越したい

Q.


引っ越したい!

夫婦ともに35歳で、4歳の子供と2歳の子供がいます。夫婦共働きです。

昨年、35年ローンを組んで家を建てましたが、街が好きになれず憂鬱な毎日を過ごしています。板橋区です。

近隣の住人は口が悪く汚い言葉遣いをするし、商店街はさびれていて、駅も汚く、道路には犬のフンが転がっています。

街を好きになろうと努力しましたが、無理でした。一年経っても好きになれず、家を売って引っ越したい気持ちばかりがつのります。

主人はため息ばかりで、私も我慢ばかりで笑えません。夫婦の笑顔も少なくなりました。

長男が2年後に小学生になるので、それまでに引っ越したいと考えています。途中で転校させるのはかわいそうなので。

幼稚園でも仲のいい友達ができたので心苦しいですが、この街に居続けるのはもっとかわいそうです。

ローンもまだまだありますが、無理してでもこの街を出て行くべきでしょうか?

家を売って引っ越しするべき?

まず、Aさんの状況について整理しておきましょう。

  • 昨年建てた家を売りたい
  • 35年ローン・残債は3500万円
  • 夫婦共働き・子供2人
  • 商店街はさびれ、駅は汚く、道路には犬のフンが
  • この街に住んでから夫婦の笑顔がなくなった
  • 旦那がイライラして子供にあたることもある

そして、Aさんの悩みは

  • 家を売って引っ越しするべき?

というものです。

「家はチェックしたけど、地域のチェックができていなくて住んでみて後悔・・・」というパターンは多いです。

おそらくAさんは家事や育児に追われていたため、周辺の状況までチェックできなかったのではないでしょうか。

モモコさん
でも家を建てるんだったら、念入りにチェックするべきだよね。

ところが、良い地域で生まれ育った人にとっては盲点なのです。こんなに住みにくい地域があるなんて、考えたこともないのです。

Aさんもきっと、そのような感じで疑うこともなく家を建ててしまったのでしょう。

さて、Aさんは我慢してこの地域に住み続けるべきでしょうか?それとも、引っ越しするべきでしょうか?

さっさと売却して引っ越しするべき!

結論から言うと、子供のこれからのことを考えるならもっと住みやすい街に引っ越しするべきでしょう。

「どんな家に住むのか」も大事ですが、「どんな地域に住むのか」はもっと大事です。

フドー先生
特に、Aさんのように小さなお子さんがいる家族であればなおさらだね。

Aさんが住んでいる地域は、きっと小学校や中学校の評判も良くないものと思われます。

「同じ街でも、となりの学区は学校の評判が良い」ということもあります。少し住むエリアが違うだけで、住み心地がまったく変わったりするものです。

それに、このままではAさん夫婦の仲に亀裂が入り、子供にも悪影響を与えることになってしまうかもしれません。

モモコさん
イライラした結果、子供に当たってしまうことにもなりかねないね。

お子さんが小学校に入る前に、評判の良い小学校の学区を探して引っ越しを検討してみるのが得策でしょう。

フドー先生
とは言え、現実的に家が売れないことには前に進まないのが難しいところだよね。

ローン残債をすべて返済することが絶対条件

家を売るためには、売ったお金でローン残債を全て返済する必要があります。ローン残債よりも家が高く売れないといけないということですね。

まず、それを計算してみましょう。

一括返済できる

  • 「ローン残債」<「売却価格」-「諸費用」

一括返済できない

  • 「ローン残債」>「売却価格」-「諸費用」

詳細についてはこちらの記事をごらんください。

売却で家のローン残債を返済できる?計算してみよう
ローンが残っている家を売るためには、ローンを全て返済しないといけません。 ローンの一括返済をするには、家を売った代金を充てるこ...

先に売るか、先に引っ越しか

計算の結果、もし売却によって家のローンを返済できそうなら、売却に行動を移しましょう。

そこで次に考えなければいけないのが、「売却」と「引っ越し」の順番です。

  • 先に家を売却をしてから新居を探して引っ越しする
  • 先に新居を探して引っ越ししてから家を売る

先に家を売却することを売り先行 ?、先に家を購入することを買い先行 ?といいます。

 

売り先行が一般的な手順

住み替えをする際には、一般的には「売り先行」で進めることが多いです。

「買い先行」は、先に家を買うための資金を用意する必要があり、金銭的なハードルが高いため、資金状況的にできない人が多いためです。

「売り先行」は売却で得られたお金をもとに新居の購入の計画を立てることができるので、経済的な安定感が得られます。

モモコさん
「売り先行」は、お金に余裕がない人向けのプランなんだね。
フドー先生
今の家に居住しながら売却活動をおこなうことができるから、焦らなくてもいいしね。

詳細についてはこちらの記事をごらんください。

住み替えの手順は、売却が先?購入が先?選ぶ基準は?
住み替えをしようと思うんだけど、売却が先?それとも、購入が先?どっちから進めればいいんだろう・・・ ...

 

居住するのが苦痛なら、先に引っ越しする

ところがAさんの場合は、一刻も早く街を出て行きたいという状況です。

もし「売り先行」で売却を進めたとしてなかなか売れなかった場合、売れるまではずっと現在の家に住み続けることになります。

フドー先生
これでは精神的苦痛が大きくなるかもしれないね。

であるならば、先に引っ越しをしてしまってから売却に取り掛かるほうが、精神的に良いかもしれません。

モモコさん
でも、「買い先行」は資金に余裕がないとできないんじゃないの?
フドー先生
そもそも、「次に住む家が賃貸でいい」のであれば、ハードルは低くなるんだ。

 

次に住むのは賃貸か購入か?

次に住む家を購入するとなると、探すのにも時間がかかるし急いで買うと失敗してしまいます。

でも次に住むのが賃貸であるのなら、それほど時間をかけずに決められるはずです。

もし賃貸ではなく購入を検討しているなら、一旦賃貸に「仮住まい」をするといいでしょう。

仮住まい用の賃貸住宅に引っ越しし、売却することが決まった段階で新居探しを始めればいいのです。

モモコさん
なるほど。その方法なら、Aさんはすぐに街を出て行けるね。

家の売却額でローンを返済できない場合

モモコさん
計算の結果、もし家が高く売れる見込みがなく、売却額でローンを返済できなかった場合はどうすればいい?
買い替えローン ?任意売却 ?という方法を選択すれば、ローンが返済できなくても売却することができます。

モモコさん
そうなんだ!

ただし、これらはリスクを伴います。

「今の家に住み続けるリスク」と「住み替えローンや任意売却のリスク」を天秤にかけて判断しましょう。

まとめ

売り先行(うりせんこう)

住み替えの際に、新居の購入よりも先に今の住まいを売却する手順のことです。対して、先に購入する手順を「買い先行」といいます。

「売り先行」には資金計画を立てやすいというメリットがあり、住み替えをおこなう人の多くが売り先行の手順で進めています。

「売り先行」と「買い先行」のステップの違いは以下の通りです。

買い先行(かいせんこう)

住み替えの際に、今の住まいの売却よりも先に新居の購入をする手順のことです。対して、先に売却する手順を「売り先行」といいます。

「買い先行」にはじっくりと新居を探せるというメリットがありますが、新居を購入する資金を用意する必要があります。

「売り先行」と「買い先行」のステップの違いは以下の通りです。

住み替えローン(すみかえローン)

住み替えの際に利用するローンの一種です。「買い替えローン」ともいいます。

現在の家のローン残債を、次に購入する家のローンに上乗せして組むことができます。

現在の家の売却代金でローンを返済できない場合に利用できます。

「住み替えローン」の詳細を見る
任意売却(にんいばいきゃく)

ローンを残したまま家を売り、不足分を分割で支払う方法です。

任意売却をおこなえば、ローンを返すのが困難になった人や、ローンの不足分を支払えなくなった人でも不動産を売却することができます。

ただし、任意売却をおこなうためには、お金を借りている銀行の同意を得る必要があります。返済能力がある場合は、任意売却をおこなうことを認めてもらえません。

「任意売却」の詳細を見る