お金がないので、仮住まいをせずに住み替えをしたい。方法はある?

Q.

現在住んでいるマンションを売り、買い替える予定です。

よく、住み替えをするときには仮住まいをするということを聞きますが、引っ越しを2回おこなうことになりますし、労力もお金もかかるので避けたいと思っています。

妻とは2年前に離婚して独り身です。妻と暮らしている娘への養育費の支払いなどもあり、できるだけ出費を抑えたいのです。

仮住まいを利用せずに住み替える方法はあるのでしょうか?その場合はどういう手順を踏んだら良いのでしょうか?

現在所有のマンションは返済残高約400万円です。売却を依頼している不動産屋さんによると、2000万円くらいで売れるだろうとのことです。

お金を使いたくないのであれば、仮住まいは避けられない

Aさんは「養育費などの出費があるので、仮住まいなどでお金をかけたくない」とのことです。

ですが、結論から言うと、「住み替えにお金をかけたくない」のであれば、仮住まいは避けられません。

モモコさん
どういうこと?

住み替えをおこなう方法として、先に今の家を売却する売り先行 ?と、先に新居を購入する買い先行 ?を選ぶ必要があります。

売り先行の手順

買い先行の手順

仮住まいをする必要があるのは、「売り先行」で進めた場合です。ですが、仮住まいをしたくないからと言って「買い先行」で進めてしまうと、おそらくもっと経済的に負担がかかることになるでしょう。

お金がない人は、資金計画をしっかりと立てられる「売り先行」を選ぶべきです。「買い先行」は資金に余裕がある人向けのプランなのです。

フドー先生
仮住まいをしてでも「売り先行」で進めたほうが、結果的には経済的な負担が少なくなるということだよ。

「買い先行」は資金に余裕がある人向け

モモコさん
「買い先行」の手順で進めると、もっとお金を使うことになるってこと?

「買い先行」は次に住む家を先に購入する必要があるので、資金に余裕がないと厳しいのです。

Aさんがもし、新居のローンを組むための頭金を用意できるのなら、先に新居を購入して引っ越しするといいでしょう。

ですがAさんは、おそらく頭金を用意できるほどの資金はないものと思われます。

モモコさん
仮住まいをするためのお金すら、出したくないんだものねえ。

先に購入するよりも、先に売却し、その売却代金を新居の頭金にまわす方が経済的です。

モモコさん
つまり、お金がないAさんは「売り先行」を選択するべきだと。
フドー先生
そう。そして「売り先行」では、仮住まいは避けられない。それは必要経費だと思って受け入れるべきだね。

本当に2000万円で売却できるのか?

Aさんは、売却を依頼している不動産会社に査定 ?を依頼した結果、「2000万円で売却できるでしょう」と告げられたそうです。

もし2000万円で売却できたとしたら、ローン残債は400万円なので、余裕で返済できます。1600万円のおつりがきます。

モモコさん
1600万円も手元に残るなら、仮住まいをしたって平気だよね。新居の頭金にも余裕で回せるし。
フドー先生
本当に2000万円で売れたらね。

問題は、Aさんが契約している仲介業者が出した2000万円という査定価格 ?が、どれだけ信用できるものなのか?ということです。

中には売主を確保するために、あえて高めの査定価格を提示する業者も存在します。念のため、一括査定サービスで複数の業者に査定をお願いして、本当に2000万円で売却できる目処が立つのかを確認しておくべきでしょう。

https://fudo-sensei.jp/takasugirusateikakaku.html
フドー先生
もしそれで本当に2000万円で売れる見込みがあるのなら、Aさんは「売り先行」で進めるべきだよ。

まとめ

Aさんが取るべき行動は、以下の通りです。

  1. 一括査定を利用して、本当に2000万円で売れる目処が立つかを確認する
  2. 2000万円で売れる見込みがあるなら、「売り先行」で進める
  3. 売却し、その代金でローン残債400万円を返済する
  4. 残りの1600万円の中から、新居購入の頭金にまわす分を確保する
  5. 残りの資金で仮住まいをおこなう
  6. 仮住まいをしながら新居を探す

もっとも大事なポイントは「本当に2000万円で売却できるか」という部分です。もし2000万円で売却できるとしたら、仮住まいの資金も捻出できますし、娘さんへの養育費も十分に払えるでしょう。

もし売却価格がもう少し低くて1500万円になったとしても、ローン残債の400万円を返済したあとに1100万円も残ることになります。これでも十分でしょう。

いずれにしても、「売り先行」で先に資金を調達するほうが、Aさんにとっては賢明な選択です。仮住まいは住み替えのために必要なステップだと割り切って、受け入れましょう。

売り先行(うりせんこう)

住み替えの際に、新居の購入よりも先に今の住まいを売却する手順のことです。対して、先に購入する手順を「買い先行」といいます。

「売り先行」には資金計画を立てやすいというメリットがあり、住み替えをおこなう人の多くが売り先行の手順で進めています。

「売り先行」と「買い先行」のステップの違いは以下の通りです。

買い先行(かいせんこう)

住み替えの際に、今の住まいの売却よりも先に新居の購入をする手順のことです。対して、先に売却する手順を「売り先行」といいます。

「買い先行」にはじっくりと新居を探せるというメリットがありますが、新居を購入する資金を用意する必要があります。

「売り先行」と「買い先行」のステップの違いは以下の通りです。

不動産査定(ふどうさんさてい)

その物件が「いくらで売れるか」を不動産業者に予想してもらうことです。

物件のスペックや状態、過去の取引事例や市場の動きを参考にして算出します。

不動産査定の方法には、机上査定訪問査定の2種類があります。

不動産査定をおこなって算出した価格、つまり「いくらで売れるか」を予想した価格を査定価格といいます。

「不動産査定」の詳細を見る
査定価格(さていかかく)

不動産会社が物件に対して「これぐらいで売れるだろう」と予測する価格です。

不動産査定をおこなうことによって算出されます。売り出し価格を決めるためのベースになるので、非常に重要です。

「査定価格」の詳細を見る