夫婦のどちらかが連帯保証人 ?になっている場合の離婚については、注意が必要です。
夫が主な債務者で、妻が連帯保証人になっている場合。離婚によって、妻が出て行くというケースはよくあります。
住宅ローン | 主債務者:夫 連帯保証人:妻 |
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家の名義 | 夫 |
離婚後の家 | 夫が住み続ける |
夫が家に残り、住宅ローンを支払い続けるわけですが、連帯保証人である妻に思わぬトラブルが襲いかかることがあるのです。
A夫さんとB子さんの事例で具体的に見ていきましょう。
離婚して10年目に、前の家の支払いを催告され・・・
離婚することになったA夫さんとB子さん。
まだ住宅ローンを支払い中の家をどうするか相談した結果、A夫さんが住み続けることになりました。
住宅ローンはA夫さんの名義で、B子さんは連帯保証人になっています。
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自分名義の住宅ローンだから、自分が住みながら返済していくのがもっとも無難だろう。 |
やっとあの家から離れられる!新しい家を探して、新しい生活をスタートさせられるわ! | ![]() |
そして、離婚が成立して別々の生活をスタートさせたA夫さんとB子さん。
ところが10年後。賃貸マンションに住んでいるB子さんのもとに、金融機関からの催告状が届きました。
なにかしら、これ。え、催告状・・・? | ![]() |
そこには、「B子さんが離婚する前に住んでいたマンション」のローンを支払うように、との催告がありました。
じつは、B子さんの元夫であるA夫さんはそのマンションに住みながらローンを返済し続けていたのですが、ある日リストラに会ってしまい、返済が滞ってしまったのでした。
そして返済できなくなったA夫さんの代わりに、連帯保証人であるB子さんのもとに支払いの催告がきたということです。
なんで私があの人の代わりに支払わないといけないの?そもそも、離婚したんだから連帯保証人じゃないはずなのに・・・ | ![]() |
10年前に離婚し、きれいさっぱり夫とは縁を切ったと思っていた理子さん。
新しい家に住み替えて再婚し、前の家の事などすっかり忘れて幸せに暮らしていました。
そんな時に突然届いた催告状。
思いもよらぬ事態に直面し理子さんは混乱してしまいました。
なぜこのようなことが起きてしまったのでしょうか。
連帯保証人は離婚しても解消されない
離婚をして住む場所も別れて心機一転、別々の生活をスタートさせてすべてをリセットできたように見えますよね。
しかし、妻が夫の「連帯保証人」であるという時点で、離婚後にこのような大きなトラブルに見舞われる可能性があるのです。
元の家に住んでいる夫が住宅ローンの返済を滞納してしまったとき、連帯保証人である妻にその支払い義務が生じてしまうのです。
まったく関係ない別の暮らしをしている妻が、連帯保証人として代わりに支払わないといけなくなるのです。
妻からすると「離婚してしまえば連帯保証人から外れることができる」と思うかもしれませんが、それは間違いです。
戸籍上は他人になっても、連帯保証人であることには変わりがないのです。
連帯保証人の関係は夫婦間の取り決めではなく、金融機関と契約したことだからです。
このような事態を回避するためには?
離婚後にこのようなトラブルを起こさないためには、どうすればいいのでしょうか。
自分が連帯保証人になっているか確認する
このように、住宅ローンを残したまま離婚してしまうと、忘れた頃に元配偶者の尻を拭うことになってしまいます。
離婚する前に必ず「自分が連帯保証人になっているかどうか」を確認しましょう。
住宅ローンの契約書を確認しましょう。連帯保証人になっている場合は、そこに必ず記載されています。
もし連帯保証人になっていないのであれば、離婚した後に住宅ローンを請求されるリスクはありません。
離婚する前に家を売却する
離婚した後に連帯保証のために一括返済を求められ、返済することができなければ、家を差し押さえられて競売にかけられてしまいます。
そうなると住む家を失うだけではなく、破産してしまう恐れすらあります。
もし連帯保証人になっているのであれば、「離婚する前に家を売却する」のがベストです。
「離婚と家」の問題についての詳細は、こちらの記事をごらんください。
