離婚時の家の売却、どうする?起こる問題と3つのポイント

結婚を機に、2人で力を合わせて買ったマイホーム。

しかし、最近では「3組に1組が離婚する」といわれています。

賃貸に住んでいるのであれば引っ越しをするだけで住みますが、マイホームを持っている場合は「家をどうするか」という問題が襲いかかってきます。

幸せの象徴であるはずのマイホームが、いざ離婚をするときにはとんでもない足かせになってしまうのです。

  • 本当に家を売るべきなのか?
  • まず何から始めればよい?
  • 準備しておくべきものは?
  • 「離婚」と「家の売却」どっちから済ませるべき?

あなたも、このように悩んでいるのではないでしょうか?

ここでは、マイホームを持っている夫婦が離婚をする際に直面する問題と、スムーズに売却するためのポイントについて説明します。

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離婚時の家の売却で起こる問題

まず、マイホームを持っている夫婦が離婚すると、次のような問題に直面します。

  • 連帯保証人の問題
  • 家の名義の問題
  • 住宅ローンの名義の問題

順に見ていきましょう。

連帯保証人の問題

「離婚による家の売却」で起こりやすいトラブルが、連帯保証人 ?に関するものです。

夫婦のどちらかが連帯保証人になっている場合、離婚しても連帯保証人の関係が外れることはありません。

「離婚すれば連帯保証人の関係が解消される」と思って離婚することにより、その後のトラブルにつながるという例が多いのです。

モモコさん
どのようなトラブルが起きるの?

たとえば、「離婚したあとに家を売ろうとしたけど売れなかった場合」です。

  • 夫:主債務者
  • 妻:連帯保証人

という夫婦の例で考えてみましょう。

妻は離婚後に家を出て行き、夫が家に残ってローンを返済することになりました。

「もう家とは縁を切れた」と思っていた妻のもとに、ある日突然住宅ローンの一括返済の請求がきます。

その理由は、夫が経済的な理由から返済不能に陥ったためでした。

このように、連帯保証人になっていると住宅ローンの支払いができなくなってしまった夫の尻をぬぐうことになってしまうのです。

モモコさん
離婚して別の家に住んでいるのに、請求が来るなんて・・・
フドー先生
こうならないために「離婚しても連帯保証人の関係は解消されない」ということを知っておくべきだよ。

詳細についてはこちらの記事をごらんください。

「離婚と連帯保証人」のトラブル【連帯保証人の妻が住み続ける編】
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家の名義の問題

家の名義が「単独名義」共有名義 ?かによって、家の売りやすさが変わってきます。

モモコさん
家の名義?

家の名義というのは、「登記 ?上の所有者名義」です。

「この家が誰のものか」ということを法的に証明するために、登記簿謄本に登録するものです。

フドー先生
家を買ったときに、単独名義か共有名義かを選んで登記申請しているはずだよ。

たとえば、家の名義が夫の単独名義になっている場合、夫の意向で家を売ることができます。

しかし、夫婦での「共有名義」になっている場合は、双方の同意がないと売却できないのです。

フドー先生
双方の押印が必要なんだ。

離婚に伴って家を売ろうとしたとき、家を売る前に離婚してしまって元配偶者と連絡がつかなくなってしまうと、「売りたくても売れない」という事態に陥ってしまいます。

詳細についてはこちらの記事をごらんください。

不動産の名義が「共有名義」になっている家を売りにくい理由
家を買ったとき、家の名義を夫婦でのにしている人は多いと思います。 住宅ローン控除を夫婦で二重に受けることができる ...

住宅ローンの名義の問題

「住宅ローンを支払っていた夫が家を出て行き、妻が家に残る」という決断をする人もいるでしょう。

この場合、「夫名義の住宅ローンを妻名義に変更しよう」としても、住宅ローンの名義は簡単に変更できません。

家の名義は登記をおこなうことによって変更することができますが、返済中の住宅ローンの名義を変更することは容易ではないのです。

詳細についてはこちらの記事をごらんください。

住宅ローンの名義変更はできない?【離婚にまつわるトラブル】
持ち家を所有している夫婦が離婚をする際には、「夫か妻のどちらかが家に残る」というパターンも多いでしょう。 このときに問題になる...
「住宅ローンの名義」は「家の名義」とは別物です。混同しないように注意しましょう。

「不動産の名義」と「住宅ローンの名義」の違いを理解しよう

離婚時の家の売却をスムーズにおこなうための3つのポイント

ここまでは、「離婚時に家を売却する際に起こる問題」について述べてきました。

簡単にまとめてみましょう。

離婚時の家の売却で起こる問題
連帯保証人の問題

元配偶者が住宅ローンを支払えなくなったときに請求が来る

共有名義の問題 共有者である元配偶者と連絡が取れなくなった場合、家を売ることができなくなる
住宅ローンの名義の問題 家に残る自分に住宅ローンの名義変更ができないため、元配偶者に支払い続けてもらう
→元配偶者の支払いが滞ると、競売にかけられて強制退去させられる
(自分が連帯保証人になっている場合は、支払いを請求される)

では、これらの問題が起きないようにするための3つのポイントを紹介しましょう。

  • 1.家の情報をしっかりと把握する
  • 2.離婚する前に家を売る
  • 3.家を売って住宅ローンを完済できるか計算する

ポイント1.家の情報をしっかりと把握する

まず、家を売ろうと思ったら「家の情報」をきちんと把握することが大事です。

フドー先生
確認するべき家の情報とは、「住宅ローンの契約内容」「不動産登記の内容」だね。
住宅ローンの契約内容 不動産登記の内容
項目
  • 購入代金
  • 購入したときの頭金
  • 住宅ローンの残高
  • 住宅ローンの名義
  • 不動産の名義
  • 抵当権の設定
確認の方法 住宅ローンの契約書を見るか、金融機関の窓口に相談することで確認できます。 法務局で不動産の登記簿謄本を取得することで確認できます。

特に、離婚に伴って家を売ることになった場合に必ずチェックしておきたいのは、

  • 住宅ローンの名義
  • 不動産の名義

です。

  • 住宅ローンは誰が主債務者で、誰が連帯保証人になっているのか?
  • 単独での借り入れか、連帯債務か?
  • 不動産の名義は単独名義か?共有名義か?

などを把握しないまま家を売ろうとすると、先ほど挙げたようなトラブルに見舞われてしまうことになります。

家の情報の調べ方の詳細については、こちらの記事をごらんください。

STEP1.売却の準備
家を売るためには不動産会社に依頼することになりますが、その前にまず準備しておくべきことがあります。 家に関する情報や、相場など...

ポイント2.離婚する前に家を売る

「離婚」と「家の売却」のどちらから片付ければ良いのか悩んでいる人は多いと思いますが、まず先にやるべきなのは「家の売却」です。

この記事で説明している、

  • 連帯保証人の問題
  • 共有名義の問題
  • 住宅ローンの名義の問題

これらの問題は、家を売る前に離婚をすることによって起きてしまうのです。

フドー先生
離婚する前に家を売ることにより、これらの問題を解決することができるんだ。

ですが、ここで大事になってくるのは、

  • 家を売ってローンを完済できるかどうか

ということです。

「家を売っても残債がある」という状態では、離婚前に家を売る意味がありません。

「家を売って得られたお金で住宅ローンを完済する」ことにより、家の問題をスッキリ片付けることができるようになり、離婚後のトラブルを防ぐことになるからです。

モモコさん
そうか。住宅ローンをゼロにすることによって、連帯保証人の関係も解消されるんだもんね。

家を売って住宅ローンを完済するには、「住宅ローン残債」よりも高い値段で家を売る必要があります。

それが可能かどうかを計算することが、3つ目のポイント「家を売って住宅ローンを完済できるか計算する」になります。

ポイント3.家を売って住宅ローンを完済できるか計算する

モモコさん
「家を売って住宅ローンを完済できるか」って、どうやったら計算できるの?

まず、次の3つの金額を準備しましょう。

  • 売却価格
  • 売却にかかる費用
  • ローン残債

そして、「売却価格」から「売却にかかる費用」を引いてみましょう。

その金額が、「ローン残債」より多ければ住宅ローンを完済することができます。この状態をアンダーローン ?といいます。

対して、売却で得られたお金でローンを返済できない状態をオーバーローン ?といいます。

一括返済できる(アンダーローン)

  • 「ローン残債」<「売却価格」-「諸費用」

一括返済できない(オーバーローン)

  • 「ローン残債」>「売却価格」-「諸費用」
モモコさん
ローンの残りを返済できるくらい、高く売れないといけないのか。
フドー先生
もしローン残債に届かなかったとしても、自己資金などで不足分を充当することができるのなら、オーバーローンを免れるんだ。

詳細についてはこちらの記事をごらんください。

売却で家のローン残債を返済できる?計算してみよう
ローンが残っている家を売るためには、ローンを全て返済しないといけません。 ローンの一括返済をするには、家を売った代金を充てるこ...

任意売却も視野にいれる

 計算の結果、家を売ったお金で住宅ローンを返済できそうにない(オーバーローン)なら、任意売却 ?も視野にいれておきましょう。

ただ、任意売却は普通の売却と比べてややリスクがありますので、よく理解してから実行しましょう。

連帯保証人(れんたいほしょうにん)

お金を借りた借主(債務者)に問題が起きてお金を返せなくなったときに、代わりに責任を持ってお金を支払う人です。

もし借主に何らかの問題が起きて返済能力がなくなった場合に、貸主(債権者:金融機関など)は連帯保証人に請求することによってお金を回収することができます。

連帯保証人は「保証人」よりも責任が重く、借主と同等の立場になります。

「連帯保証人」の詳細を見る
共有名義(きょうゆうめいぎ)

夫婦や親子などの共同で登録された不動産(家)の名義です。

夫婦や親子でお金を出し合って不動産を購入した場合は、不動産の名義を共有名義にするのが一般的です。

出資した金額の割合に応じて、家の所有の割合(共有持分)が決まります。

共有名義に対して、1人で登録された不動産の名義は「単独名義」といいます。

共有名義の詳細ページを見る
不動産登記(ふどうさんとうき)

不動産の情報や所有者の情報を、法務局が管理している「登記簿」に記載することです。

不動産登記をおこなうことにより、不動産の権利関係を法的に明らかにすることができ、不動産取引を安全におこなえるようになります。

不動産売却の際におこなう登記は、以下の通りです。

  • 所有権移転登記
  • 住所変更登記
  • 抵当権抹消登記
「不動産登記」の詳細を見る
アンダーローン

「ローン残債」が「不動産の売却額」より低くなる状態のことです。

アンダーローンの場合は、不動産を売却することでローンを完済し、利益を出すことができます。
オーバーローン

「ローン残債」が「不動産の売却額」より高くなる状態のことです。

オーバーローンの場合は、不動産を売却することでローンを完済することができず、負債を抱えることになります。
任意売却(にんいばいきゃく)

ローンを残したまま家を売り、不足分を分割で支払う方法です。

任意売却をおこなえば、ローンを返すのが困難になった人や、ローンの不足分を支払えなくなった人でも不動産を売却することができます。

ただし、任意売却をおこなうためには、お金を借りている銀行の同意を得る必要があります。返済能力がある場合は、任意売却をおこなうことを認めてもらえません。

「任意売却」の詳細を見る