離婚後に連帯保証人 ?絡みのトラブルがもっとも起こりやすいのは、「妻が家に残って住み続ける」というケースです。
妻が住み続けること自体は問題ではありませんが、「夫名義でローンを組んでいて、妻が連帯保証人になっている」場合は要注意です。
住宅ローン | 主債務者:夫 連帯保証人:妻 |
---|---|
家の名義 | 夫 |
離婚後の家 | 妻が住み続ける |
「元夫が住宅ローンを支払い続けてくれるので、タダで住める」と思っていると、思いもよらぬタイミングでトラブルに巻き込まれることがあります。
A夫さんとB子さんの事例で具体的に見ていきましょう。
悠々自適な生活を送っていると、突然催告状が・・・
浮気が原因で離婚することになったA夫さんとB子さん。
浮気をしてしまったのはA夫さんです。
A夫さんはローン名義人で、B子さんは連帯保証人です。
あなたの浮気が原因なんだから、あなたが出て行って。わたしはここに住み続けるから。 | ![]() |
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うう、たしかに悪いのはオレだ。仕方ない、出て行こう・・・ |
あと、子供の養育費もきちんと支払って。 | ![]() |
仕方なく、家を出て行くことを承諾したA夫さん。住宅ローンは自分の名義なので、離婚して離れ離れになっても返していくことにしました。
別の家に住みながらも、元妻であるB子さんが住む家の住宅ローンを支払い続ける日々。
しかし5年後、A夫さんの会社の業績が悪化して給料が激減。
住宅ローンを支払い続けるのが困難になってしまい、ついに滞納してしまいました。
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子供の養育費と住宅ローン、支払えなくなっちゃったよ・・・ |
そして離婚後に家に住み続けていた元妻のB子さんのもとに催告状が届きました。
返済能力がなくなってしまったA夫さんの代わりに連帯保証人である元妻の理子さんに支払いを要求する内容でした。
催告状!?この家のローンは、離婚後もあの人が支払い続けてたんじゃないの?なんで私が・・・ | ![]() |
出て行った旦那が支払い続けてくれる家に住み続けていたB子さん。
これからもずっと悠々自適な生活を送れると思っていた矢先に、悲劇が訪れました。
とっくの昔に離婚したはずの元夫の代わりに一括返済するハメになるなんて、思ってもいなかったB子さん。
なぜこのようなことが起きてしまったのでしょうか。
連帯保証人は離婚しても解消されない
妻からすれば、自分はローンを支払う必要がないので、タダで住めるようになるようなものです。
ですが問題は、ローン債務者である夫がローンを支払えなくなったときです。
リストラにあって返済できなくなったり、それをきっかけにローン返済を放棄して失踪したりする可能性だってあります。
そうなると、連帯保証人である妻に支払い義務が生じてしまうのです。
離婚しても連帯保証人の関係は保持されたままだからです。
夫の代わりに請求された妻が支払うことができずに滞納を続けると、裁判所に家を差押さえられて競売にかけられることになります。
このような事態を回避するためには?
このような、家に残った妻が連帯保証人になっており、出て行った夫の代わりに請求されるというケースは非常に多いです。
離婚後にトラブルを起こさないようにするためには、どのようなことに気をつけなければいけないのでしょうか。
自分が連帯保証人になっているか確認する
まず、自分が連帯保証人になっていないかどうか、確認しておきましょう。
家を買うときは喜びのあまり、契約の詳細についてまではっきり覚えていないものです。自分が連帯保証人になったのかどうかの記憶もあやふやだったりします。
住宅を購入したときに組んだ住宅ローンの契約書に記載されています。もし手元にない場合は金融機関に確認しましょう。
離婚する前に家を売却する
契約書に連帯保証人である旨が記載されていれば、離婚後にトラブルが起こる可能性が出てきます。
今回のB子さんの事例のように、突然ローンの一括返済を催促されることになります。
ベストな対策は、離婚する前に家を売ることです。家を売ってそのお金でローンを返済することにより、連帯保証人が解消されます。
後腐れなく新しい生活をスタートさせるには、夫との縁を切るだけではなく家と住宅ローンとも縁を切るべきです。
離婚を進めながら家を売るのは大変です。また、売り出したからといって必ずしも売れるとは限りません。
「離婚と家」の問題についての詳細は、こちらの記事をごらんください。
