STEP6.売買契約の締結

STEP5.売却活動で購入希望者(買主)を見つけることができたら、売買契約を締結しましょう。

フドー先生
このステップで売主がやるべきことは、以下の通りだよ。


「STEP6.売買契約の締結」で売主がやるべきこと
  • 必要書類を用意する
  • 重要事項を説明して売買条件を確認してもらう
  • 売買契約を結び、契約書を交付してもらう
  • 買主から手付金を受けとる
  • 不動産会社に仲介手数料を支払う

フドー先生
このステップで注意するべきポイントは、以下の通りだよ。

1.売買契約の日までに売買条件をしっかりと確認しておく

売買契約を結ぶ日には、買主と売主の双方が売却に合意できるように不動産会社からさまざまな説明があります。

滞りなく契約を締結できるように、売買契約の日までに条件などをしっかりと確認しておきましょう。

2.物件の情報を買主にしっかりと伝える

家を引き渡したあとに欠陥や傷などが発覚すると、トラブルが起きてしまいます。最悪の場合、契約解除ということにもなりかねません。

そのようなことが起きないように、契約を結ぶ前に家についての情報を買主にしっかりと伝えることを心がけましょう。

3.宅建士かどうかをしっかりと確認する

重要事項説明書(35条書面) ?の説明と記名・押印、契約書(37条書面) ?の記名・押印をおこなうことができるのは宅建士(宅地建物取引士) ?だけです。

それらの書面を扱う不動産会社の担当者が宅建士の資格を持っているかどうかを、しっかりと確認しましょう。

フドー先生
では、このステップで売主がやるべきことを説明していこう。

1.必要書類を用意する

まず、売買契約に必要な書類を用意しましょう。

書類 用途 備考
実印 必須 契約書に押印 本人確認のため
印鑑証明 必須 実印であることを証明 3ヶ月以内のもの
登記済権利書
または登記識別情報 必須
自分が売主であることを
買主に証明
自分で保管しているもの
収入印紙 契約書に貼る 不動産会社が
用意することが一般的

収入印紙は契約書に貼り付けるために必要ですが、不動産会社が用意してくれることが一般的です。

なので、売主はその分の代金を用意しておき、不動産会社に支払いましょう。

収入印紙を契約書に貼ることによって、印紙税 ?を納付することになります。

フドー先生
「収入印紙代=印紙税」ということだね。
モモコさん
収入印紙って、いくらするの?

収入印紙は売買価格 ?によって変わります。

売買価格 印紙税
1000万円〜5000万円 1万円
5000万円〜1億円 3万円
1億円〜5億円 5万円

2.重要事項を説明して売買条件を確認してもらう

売買契約の締結をする際には、売主と買主、そしてそれぞれの不動産会社が会しておこなわれます。

まず、売主側の不動産会社から買主に対して、重要事項説明書に即して重要事項の説明をおこないます。

モモコさん
重要事項?

重要事項とは、物件を売買する前に買主に伝えておかないといけない重要な事柄です。

大きく分けて「物件に関する事項」「取引に関する事項」の2つがあります。

「物件に関する事項」は、たとえば「壁や床の隠れた傷」「柱が傾いている」などの瑕疵(かし)や、「エアコンなどの設備を付けたままにするか」などの付帯設備に関する説明です。

「取引に関する事項」は、契約の解除や手付金についての説明です。

フドー先生
買主が損をしないように、物件に関して大事なことをきちんと説明する必要があるんだ。

不動産会社が説明してくれるので、売主としてはその説明の内容に間違いがないか、しっかりと聞いておきましょう。

その他、売主と買主が合意するまで、物件や取引に関する内容と条件を確認し合います。

3.売買契約を結び、契約書を交付してもらう

重要事項を説明し、売主と買主が売買条件に合意した時点で「契約」となります。

売買契約を結んだら、不動産会社は売主と買主の両者契約書(37条書面) ?を交付します。

モモコさん
契約書には何が書いてあるの?
フドー先生
売主と買主の間で取り決めた約束事などが記載されているんだ。

契約書は、売買の取引に関する内容を記録するためのものです。

買主と売主の間でどのように話し合い、合意して売買をおこなったかということを記録することにより、後々のトラブルを防ぐことになります。

また、契約書には引き渡しの時期や売買代金なども記載されています。

4.買主から手付金を受けとる

買主から売買代金を支払ってもらうのは次のSTEP7.決済・引き渡しのタイミングですが、その前に売買契約を結んだこのタイミングで手付金を支払ってもらうことが一般的です。

モモコさん
手付金にはどういう意味があるの?
フドー先生
簡単に契約を解除されないようにするためのシステムだよ。

家の売買の場合の手付金は「解約手付」といって、その意味合いは買主が代金の一部を支払うことによって「この物件を買います」という意思を表明するものです。

買主は手付金を支払うことにより、解約がしにくくなるわけです。

フドー先生
手付金というシステムがなければ、売買契約を交わしたとしても買主に解約されるかもしれないからね。
モモコさん
手付金は売主のためにあるのか。

手付金の相場は、だいたい売却価格の5〜10%です。残りの代金はSTEP7.決済・引き渡しで支払ってもらうことになります。

5.不動産会社に仲介手数料を支払う

売買契約を結んだ時点で、不動産会社から仲介手数料を請求される可能性があります。

この時点で、不動産会社は売主から仲介手数料 ?を請求できる権利を得ることになるからです。

モモコさん
仲介手数料って数十万円から100万円くらいするよね?このタイミングで支払えるのかな?

買主から受け取った手付金のほうが仲介手数料より多いはずなので、十分に支払えるでしょう。

ですが不動産会社によっては、「このタイミングで仲介手数料の半分を支払い、決済後に残りを支払う」という場合もあります。

フドー先生
仲介手数料の支払い方やいつ支払うのかについては、あらかじめ不動産会社に確認しておこう。
重要事項説明書

取引をする不動産や取引条件に関する「重要事項」について記載された書面です。

購入予定者に対し、不動産会社は契約前に重要事項説明書を交付したうえで、重要事項についての説明をおこなう必要があります。

契約をする前に対象不動産や取引条件について十分に理解・納得することを目的としています。
37条書面

不動産取引の契約が成立したあとに、宅建業者がお客さんに交付しなければいけない書面です。

買主と売主の間で取り決めた約束事について確認しあう「契約書」です。

37条書面の交付は、宅建業法第37条の規定に基づき義務づけられています。37条書面には、宅建士による記名・押印が必要です。

「37条書面」の詳細を見る
宅地建物取引士(たくちたてものとりひきし)

不動産の売買・賃貸の仲介(宅地建物取引業(宅建業))をおこなうプロフェッショナルです。宅建士(たっけんし)と略されます。

宅地建物取引業法(宅建業法)に基づき定められている国家資格者です。

宅建士にしかできない3つの仕事
  • 重要事項の説明
  • 重要事項説明書への記名・押印
  • 37条書面(契約書)への記名・押印
「宅地建物取引士」の詳細を見る
印紙税(いんしぜい)

「課税文書」と呼ばれる契約書や領収書を作成することで課せられる税金です。課税文書に「収入印紙」を貼ることで納税します。

不動産売却においては、37条書面(不動産売買契約書)が「課税文書」にあたります。37条書面に収入印紙を貼り、印紙税を納税する義務があります。

「印紙税」の詳細を見る
成約価格(せいやくかかく)

不動産の売買をおこなった価格です。「取引価格」「売却価格」ともいいます。

売主と買主の間で合意した、最終的な取引の価格になります。

「成約価格」の詳細を見る
37条書面

不動産取引の契約が成立したあとに、宅建業者がお客さんに交付しなければいけない書面です。

買主と売主の間で取り決めた約束事について確認しあう「契約書」です。

37条書面の交付は、宅建業法第37条の規定に基づき義務づけられています。37条書面には、宅建士による記名・押印が必要です。

「37条書面」の詳細を見る
仲介手数料(ちゅうかいてすうりょう)

仲介業者に支払うお金のことです。

物件を売り買いするお手伝い(仲介)をしてくれたことに対する報酬として、売主や買主が支払います。

「不動産の成約価格の3%+6万円+消費税」で計算します。

仲介手数料は成功報酬のため、売買が成立しなかった場合は支払う必要はありません。

「仲介手数料」の詳細を見る