家を売るとき、どういう不動産会社を選べばいいの?なにを基準にして見分ければいいの? | ![]() |
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売主の立場に立ってくれる不動産会社って、具体的にどのような会社? |
不動産を売却するために不動産会社に依頼しようと思っても、一体どこを選べば良いのかわかりませんよね。
名前の知られている大手不動産会社?
地元の個人経営の不動産会社?
「このマンションを買いたい人がいます!」というチラシの不動産会社?
無数に存在する不動産会社の中から、自分にふさわしい不動産会社を選ぶにはどうすればいいのでしょうか。
また、その一方で「どこに頼んでも同じじゃないの?」と思う人もいるでしょう。いずれにしても、業者の数が多すぎて迷ってしまいますよね。
しかし、家やマンションを売るということは何百万、何千万というお金が動くことになりますから、絶対に失敗するわけにはいきません。
「どこでもいいや」「大手だから安心だろう」といった感じで安易に不動産会社を選んでしまうと、売れる物件も売れなくなってしまい、多くの時間とチャンスを無駄にすることになります。
「良い不動産会社を選べ」と言われても、不動産売却の経験も知識もなくてどのように判断すればいいのかわからない人が多いでしょう。
そのような人でも、間違いなくピッタリな不動産会社を選べるように「不動産会社選びで失敗しないための3つのポイント」を紹介します。
目次
- 1.売主の立場に立ってくれる業者を選ぶ
- 2.売買を得意とする業者を選ぶ
- 3.営業マンのスキルが高く、対応が良い業者を選ぶ
- チェックリストを効率よく活用するために
1.売主の立場に立ってくれる業者を選ぶ
当社なら高く売ることができます! 売却までのスピードが違います! |
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どこの不動産会社も良さそうなことばかり言ってるけど、本当かしら・・・? |
不動産会社のホームページなどを見る限りでは、どこも善良な会社に見えます。「一生懸命、不動産の売却に力をいれてくれそう」と思ってしまいますよね。
ところが実際には、不動産会社のすべてが売主思いの善良な会社ばかりとは限りません。利益を追求するために、売主を騙して儲けようとする輩もたくさんいます。
表向きは売主の味方のフリをしておきながら、契約 ?を結んだあとは手のひらを返したようにぞんざいに扱われる・・・そんなことも珍しくありません。
このようなことはなにも今に始まったことではなく、業界に巣食う古くからの「悪しき慣習」なのです。
世にはびこる悪徳不動産業者を見破るために、売主自身がジャッジする目を養いましょう。
そこで、そのような「不動産業界の闇」にメスを入れるべく、「悪徳不動産会社を見極める7つのポイント」をリストにまとめました。
数多くの不動産会社の中から、「売主の味方になってくれる不動産会社」を見つけましょう。
1.宅地建物取引業の免許を持っていない業者に注意!
2.近隣の成約事例などの「査定の根拠となるデータ」を提示してくれない業者に注意!
不動産会社を選ぶとき、まずは複数の不動産会社に査定 ?をしてもらいますよね。
そして、出してくれた査定価格 ?を参考にして不動産会社を選ぶのですが、そのときのポイントのひとつとして「査定価格の根拠を教えてくれるか」ということがあります。
査定価格の根拠を教えてくれない業者は選ばないほうが良いです。
「なぜ、その査定価格になったのか?」「どのような計算をして、その査定価格になったのか?」という根拠を、売主にきちんと教えてくれるかどうかで、売主の味方になってくれる業者かどうかを判断することができます。
ここでは、査定の根拠とはどのようなものなのか、査定の根拠を売主に提示してくれる業者と提示してくれない業者はどこが違うのか、などについて説明します。
取引事例比較法は近隣の成約事例を参考にする
査定をおこなう場合、取引事例比較法 ?という評価方法を使うことが一般的です。
この取引事例比較法は、「近隣の成約事例」を参考にして査定をおこなう方法です。
つまり、「周辺の地域で、同じような物件がいくらで売買されたか?」といったデータを集め、参考にして査定価格を決めるのです。
「1年前、あなたの物件と同じような物件が3000万円で売れています。時間の経過を考慮すると、2800万円くらいで売れると考えられます」
というふうに、近隣の過去の成約事例を参考にして「今、どれぐらいで売れるか」を予想するわけです。
業者は近隣の成約事例のデータを提供するべき
問題は、「業者がそのデータを売主に提供してくれるか?」ということです。
査定の根拠になった「近隣の取引事例」のデータを売主に提供し、査定価格や今後の売却の計画を一緒に立てるのが、仲介業者としての誠意です。
ところが、たとえ豊富な近隣の取引事例を参考にして正しい査定をおこなっていたとしても、そのデータを売主に提供してくれるとは限りません。
近隣の成約事例を参考にせず、適当に査定をしている業者は問題外ですが、きちんと査定をしているにも関わらず、データを隠そうとする業者もいるのです。
近隣の成約事例を提供してくれない業者の事情
仲介業者がデータの提供を拒む理由として、以下のようなことが考えられます。
- 両手取引 ?を狙っているから
- 仲介業者の価値を保ちたいから
両手取引を狙っているから
まず、両手取引を狙いたいと思っている業者です。そもそも、まともな査定をおこなっていない業者です。
たとえば、このようなケースがあります。
両手取引を達成するためには、他社に物件の情報が行き渡る前に成約させる必要があります。他社が買主候補を連れて来る前に、自社で買主を探す必要があるからです。
そのために、業者はREINS ?に登録するまでに成約させようとします。
REINSへの登録の期限は、専任媒介契約 ?の場合は契約してから7日間以内、専属専任媒介契約 ?は5日以内です。
REINSに登録するまでに短期で成約させるために、安い値段をつけて売り出そうとします。
そして、安い値段をつけるために重要なのは、売主に「知識をつけさせないこと」です。
つまり、売主に「近隣の成約事例」を与えてはいけないのです。
近隣で、同じような物件がもっと高く取引されていたということを売主に知られると、まずいわけです。
仲介業者の価値を保ちたいから
「近隣の成約事例」を提供したがらないもうひとつの理由は、「仲介業者の価値を保ちたいから」です。
「自分たちしか知らないデータを持っている」ということが、仲介業者にとっての財産だと思っているのです。
なんでもかんでも売主に情報を提供してしまっては、仲介業者の価値が下がる・・・このように考えているわけです。
情報量の多さではなく、情報を提供する姿勢がある業者を選ぶ
「一般人と不動産会社の情報量の差」は少なくなってきている
たしかに、インターネットがなかった時代では、売主が物件の情報を得るには不動産会社に頼るしかなかったのです。
「豊富な物件情報を持っている」ということ自体が、不動産会社の価値だったわけですね。
でも、現在では状況が違います。ネットの発達のおかげで、一般人でも多くの物件の情報を取得することができます。
ゆえに、昔に比べて「一般人と不動産会社の情報量の差」は少なくなってきていると言えます。
「不動産会社同士での情報量の差」もなくなってきている
そして「不動産会社同士での情報量の差」もなくなってきている」と言えます。
過去の成約価格 ?は、どの不動産会社もREINSのデータを参考にしています。
参照元のデータが同じである以上、どの不動産会社を選んでも情報量に大差はないということです。
情報量に差がなくても、業者によってサービスや姿勢が異なります。
きちんと査定をしてくれるか?その根拠となったデータを売主に示してくれるか?売主側に立って考えてくれるか?
現在では不動産会社の価値は「物件の情報量」ではなく、「サービスや姿勢」なのです。
「情報を惜しみなく提供してくれる会社の姿勢」を売主は評価するべきですし、パートナーとして選ぶべきなのです。
情報量ではなく、情報を提供する姿勢があるかどうかを見極める
情報を惜しみなく提供してくれる業者かどうかを確かめるには、「参考にした近隣の成約事例を教えてください」と質問してみましょう。
これに対し、抵抗を示されたらその業者を疑いましょう。売主の立場になってくれる業者じゃないのかも、と。
惜しみなく近隣の成約事例を提供してくれて、なおかつその事例と査定価格につじつまが合っていれば、売主の味方になってくれる業者だと言えるでしょう。
「正しい査定をしてくれて、その根拠となったデータを惜しみなく提供してくれる」このような業者を選ぶことが、不動産売却のための重要な第一歩です。
まとめ
- 査定価格の根拠を教えてくれない業者は信用できない
- 近隣の成約事例がたくさんあれば査定の裏付けになる
- そもそも近隣の成約事例を参考にしていない可能性もある
- 仲介業者としての価値を保ちたいため、教えてくれない業者もある
- 情報量ではなく、情報を提供する姿勢があるかどうかを見極める
3.安易な時点修正(価格の下方修正)を提示する業者に注意!
不動産会社に物件の査定をしてもらった際に、
「過去、これだけの価格で売れているから、今は少し下がってこの査定価格です」
というようなことを言われたことがありませんか?
過去に比べて物件の価格が下がることを想定し、査定価格 ?を低く算出すること自体は問題ありません。
ですが、問題はその判断に至るまでのプロセスです。安易に過去の査定価格だけを参考にし、「その時より価格が下がっている」という判断で査定をしていないか?ということです。
そのような、安易な考えに基づいて査定価格を下げている業者には注意が必要です。
ここでは、不動産会社が査定価格を低く見積もる理由と、そのような業者の見分け方について説明していきます。
査定価格は相場や市場の動きによって変動する
まず、査定価格の上下についておさらいしておきましょう。
査定価格を算出する要素のひとつに、「相場や市場の動き」というものがあります。不動産会社は、相場や市場の動きを読み、査定価格を算出します。
たとえば、そのエリアの人気が上がれば、査定価格も上昇させます。
逆にエリアの人気が下がったり景気が悪くなったりしたときには、査定価格を下降気味に修正します。
このように、「物件の価格が上がったり下がったりすること」を想定して、「じゃあ、今ならいくらで売れるか?」を推測し、査定価格を算出することを時点修正 ?といいます。
「過去に比べて査定価格は下がります」の意味
では、この記事の本題に入りましょう。
不動産会社が言う「過去、これだけの価格で売れているから、今は少し下がってこの査定価格です」という言葉には、どのような意味があるのでしょうか?
それは、「建物が古くなったから、過去より高く売ることはできない」という意味です。
マンションにしろ戸建にしろ、新しいほうが価値は高いものです。新しいというだけで価格は高くなるし、誰かが住んだり時間が経つにつれて、価格は下がっていきます。これはたしかにそうです。
でも、本当にそれだけで「価格が下がった」と言い切れるのでしょうか?「以前より高く売れない」と言い切れるのでしょうか?
価格が下がるとは限らない
たしかに、物件が古くなればなるほど、価格は下がっていくものです。
ですが、実際には相場や市場の動きというものがあり、それによって価格は上下します。たった1ヶ月でも、買いたい人の数や競合物件の数は変わるものです。
それを無視して、「古くなったから価格が下がる」と判断するのは、あまりにも安易すぎるのです。
さまざまな要因によって物件の価格が上がる場合もあるのに、それを考慮せずに「時点修正=価格の下落」と決めつけたように話す不動産会社には注意しましょう。
高く売る努力を怠っているようなものです。「当社には、高く売るアイデアも戦略もありません!」と宣言しているようなものです。
査定をおこなうために大事なこと
担当者に査定価格の根拠を質問する
査定をおこなう上で大事なのは、「買いたい人がどのような考えで中古マンションを選んでいるのか」を考えることです。
「過去、これだけの価格で売れているから、今は少し下がってこの査定価格です」というような「時点修正にもとづく価格の下落」を提示されたとき、その根拠を質問してみましょう。
「価格が下がるのは、建物の経年によるものですか?」
「エリアの人気や相場の変化はどんな感じでしょうか?」
このような質問に対し、きちんと誠意を持って答えてくれるかどうか。適当にはぐらかされたら、担当者を変えるか不動産会社を変えることを検討したほうが良いでしょう。
市場の動きを敏感に察知することができ、アイデアや実行力もある業者を選びましょう。
担当者の査定価格は参考程度に
担当者が算出した査定価格には過去の主観が強く入っている場合があります。
「過去、これだけの価格で売れているから・・・」というのは主観だけに基づく査定の可能性が高いです。
過去の経験にとらわれていると、売却戦略や戦術に新しい発想もなくなり、売主の要望通りに高く売ることはできません。
担当者の査定価格は、あくまでも参考程度に留めておくべきでしょう。
まとめ
- 査定価格は相場や市場の動きによって変動する
- 「古くなったら価格が下がる」とは一概に言えない
- さまざまな要因によって、過去より価格が上がるケースもある
- 査定価格の根拠を質問して、担当者の資質を見定める
- 担当者の査定価格は参考程度に
4.他の不動産会社に比べ、明らかに高すぎる査定価格を提示している業者に注意!
良い不動産会社を選ぶためにネットの一括査定サービスなどを利用し、複数の不動産会社に査定をしてもらうことは有効な手段です。
ところが、ここで多くの人が陥ってしまう「あること」があります。
それは、「他と比べて高すぎる査定価格を出した不動産会社に飛びついてしまう」ということです。
注意するべきなのは、「他と比べて飛び抜けて高いかどうか」ということです。あまりにも、他の不動産会社と査定価格 ?がかけ離れて高い場合は、「裏がある」と怪しんだほうが賢明です。
ここでは、不動産会社が「高すぎる査定価格」を提示する意図と、そのような不動産会社に騙されないための考え方を紹介します。
媒介契約を結ぶための「エサ」
なぜ、「飛び抜けて高い査定価格」を提示した業者を選んではいけないのでしょうか。
それは、その査定価格が媒介契約 ?を結ぶための「エサ」である可能性が高いからです。
不動産会社は、自分たちに売却の依頼をしてほしいわけです。つまり、売主と媒介契約を結びたいと思っているのです。
媒介契約を結び、売却の成約を手伝うことで、不動産会社は仲介手数料 ?を得られるからですね。
数ある不動産会社の中から自分たちを選んでもらうには、売主に「この不動産会社なら高く売ってくれそうだ!」「ここになら任せられそうだ!」と思ってもらう必要があります。
だから、売主が喜ぶような「飛び抜けて高い査定価格」を提示するという行動に出るのです。ライバルの不動産会社より目立つためには、ちょっと高いだけでは不十分なのです。
「飛び抜けて」高い査定価格を提示する必要があるのです。
どこに依頼しても査定価格に大差はない
それは、普通に考えると「どの不動産会社に依頼しても、査定価格に大差が出るはずはない」ということです。
このことを理解していると、高すぎる査定価格について疑問を持てるようになります。
ネットの発達による情報の共有化
ネットが発達した現在では、どの不動産会社でも得られる物件情報はほぼ同じなのです。
不動産会社は、REINS(レインズ) ?という不動産会社同士が情報を共有するサイトや、SUUMOやHOME’S、athomeなどのポータルサイト ?を利用することにより、全国の物件情報をほぼ取りこぼすことなく取得できます。
また、それらのサービスを利用することにより、どの不動産会社でも同じように相場の把握ができるはずです。
「どの不動産会社に依頼しても、査定価格に大差が出ることは少ない」ということを知っていると、飛び抜けて高い査定価格を提示されたときに「あれ?」「なんで?」と、不自然さを感じることができるはずです。
査定価格に根拠があるか
誤解してはいけないのですが、なにも査定価格が高いこと自体が悪いのではありません。
根拠なく「媒介契約を結びたい」だけの理由で高い査定価格をつけている不動産会社があるので、注意が必要ということです。
飛び抜けて高い査定価格を出した不動産会社に、もしなんらかの「根拠」があり、納得のいく説明をしてくれたなら、信用しても良いでしょう。
4.高い査定価格によって起こる問題
高すぎる査定価格を提示した業者を選んで売却をスタートさせると、次のような流れに陥りがちです。
問題1.業者が買主を探す努力をしない
査定価格が高いと、売り出し価格 ?も高くなります。相場とかけ離れた高すぎる売り出し価格では、当然、買いたいという人は現れません。
そのような価格で売れるわけがないということは、もちろん不動産会社もわかっているので、買主を探す努力をしません。売れるはずのない物件に労力を費やすのは、無駄だからです。
REINSに図面を登録することや、広告を打つことをせず、放置して時間が経つのを待ちます。
問題2.どんどん値段を下げられる
彼らは広告を打ったり物件情報を広めるといった努力をしないので、当然購入希望者が現れるはずもありません。
そして頃合いを見計らい、売主に対して「売れませんねえ。もっと価格を下げれば購入希望者が現れると思いますよ」と提案し、価格を下げようとします。
不動産会社としては、成約させたいのでどんどんと値下げをして購入希望者に飛びつかせようとします。
だから、どんどんと「値下げをしましょう」と提案してきます。
問題3.売れ残り物件になってしまう
不動産売却は「鮮度」が命です。物件を買いたい人がもっとも注目するのは、新規物件です。
「売り出し開始から一ヶ月」が、売却の大きなチャンスなのです。そのような大事な時期に高すぎる価格で売り出していると、誰も注目してくれません。
そして値下げをするころには2ヶ月、3ヶ月と経過していて、時すでに遅し。鮮度も低くなってしまっています。
そして「売れない」→「値下げ」→「売れない」→「値下げ」を繰り返し、その行く末は・・・
「売れ残り物件」になるか、「低すぎる価格での成約」になるかのどちらかです。
売り出してから半年も1年も経った「売れ残り物件」には、価値もなく飛びつく人はいません。
売ろうと思えば、価格を激安にするしかないでしょう。
「この価格で売る!」と自分で決めることが大事
このように、高すぎる査定価格を出した不動産会社に飛びついてしまうと、彼らに「干される」という事態に陥る危険性があります。
そうならないために心がけるべきことは、「この価格で売る!」と自分で決めることです。
業者に任せっきり、依存しっぱなしの状態では、干されてしまうかもしれません。
干されないために、売主自身が知識を身につけておく必要があります。具体的には、相場や市場の動きを把握しておくことが重要です。
現在はネットを利用することで、個人でも大筋の相場をつかむことは可能です。
SUUMOやHOME’S、athomeなどのポータルサイトを利用すれば、どんな物件がいくらで売り出されているかを見ることができます。
自分が売ろうとしている物件と「同じような物件」が、だいたいどれぐらいの価格で取引されているかということを感覚的に掴むだけで良いのです。
それだけでも、自分の物件がいくらで売れるのか?が、なんとなく見えてきます。なんとなくで良いのです。
そのうえで不動産会社に査定をおこなってもらうと、高すぎる査定価格に踊らされることはなくなります。
さらに、「相場はこれぐらいだと思うのですが、なぜそんな高い査定価格が出たのですか?どのような根拠ですか?」というふうに質問をすることもできるでしょう。
相場の調べ方についてはこちらの記事をごらんください。

まとめ
- 高すぎる査定価格は、媒介契約を結ぶための「エサ」
- どこに依頼しても査定価格に大差はない
- 物件は売り出し開始から1ヶ月が重要
- 高い価格で売り出すと、注目されるタイミングを逃す
- 値下げを繰り返し、やがて売れ残り物件になってしまう
- 「この価格で売る!」と自分で決めることが大事
- 業者に依存しないために、ある程度の相場をつかんでおく
- 査定価格の根拠を質問する
5.「この物件を探しているお客さんがいます」というチラシをまいている業者に注意!
あなたが住んでいるマンションに、このようなチラシが投函されていたことがありませんか?
「このマンションをお探しの方がいます!」 |
さらに、
「予算は3800万円で考えておられます!」 |
「◯◯町周辺のマンションを、4人家族の方が探しています!今月中に購入したいとのことです!」 |
というように、かなり具体的な数字やリアルな状況が書かれていたりします。
このようなチラシを見た人は、
「そんなに高く売れるのか!」
「相場より高いじゃん!」
と思ってしまうでしょう。ですが、じつはこのようなチラシには注意が必要なのです。
ここでは、そのようなチラシに隠された「不動産会社の意図」と、売主が騙されないために持つべき姿勢について説明していきます。
そのようなチラシを信じてはいけない
「このマンションを・・・」と書いているチラシが自分のマンションに入っていると、まるで自分宛にきた手紙のように思えますよね。
買主の具体的な要望や状況まで書いてあると、さらにリアルさが増します。「本当に探している人がいるんだ」と。
ですが、実際はチラシに書かれているような「マンションを探している人」はいない場合がほとんどです。
違法性が指摘されにくいカラクリ
ウソといえばウソですが、「過去の買主情報」を転載している場合が多いようです。
過去にそのマンションで物件を購入した事例があると、それを活用して広告を打っても違法とみなされにくいのです。
「このマンションをお探しの方がいます!(昔の話だけど)」 |
(昔の話だけど)の部分を省略して書いているんですね。あたかも、現在探している人がいるかのように。
まず売れることはない
そのようなチラシを見て「わたしのマンション、すぐに売れるのかもしれないな」と思い、問い合わせをしても、
「すでに他の方と契約をされました」
というような返答が待っているだけです。マンションが売れることはありません。
そして、
「お住まいの売却を検討しておられますか?よければお手伝いをいたしましょうか」
というように、その業者の勧誘を受けるのがオチです。
媒介契約を結ぶための「おとり」
なぜそのようなチラシをまくのかというと、「物件を売りたい人」を集めて媒介契約 ?を結ぶためなのです。そのための「おとり」なのです。
このようなチラシを「求むチラシ」「求む広告」といいます。
「求むチラシ」の魔力
この「求むチラシ」は非常にうまくつくられています。
普段から少しでも「マンションを売ってみてもいいかな」と思っている人にとって、「このマンションを探している人がいます!」という文言は、それはそれは鮮やかに映ることでしょう。
「コレだ!」「今がチャンスだ!」「今のオレのためにあるようなチラシだ!」と思ってしまいますよね。
そして電話をしてしまいます。その時点で、業者には「この人はすぐに物件を売りたいと思っているんだな」「うちの客に取り込めそうだな」と思われてしまいます。
「求むチラシ」は、「物件をすぐ売りたい人」を集められるようにつくられているのです。
「物件を売りたい人」は、仲介業者にとって貴重な資産
たとえば、「物件をすぐ売りたい人」をとりあえず大量にかき集めておいて、媒介契約を結びます。
そして、それらの物件情報を不動産会社の間で情報交換をするサイトであるREINS ?に登録しておきます。
REINSにさえ登録しておけば、買主側の仲介業者(客付け業者 ?)が勝手に探してくれます。大量に物件情報を登録しておけば、そのうちのいくつかの物件が売れるでしょう。
そうなれば、仲介手数料 ?ゲットです。ほぼ放置で。売主の要望に答える努力もせずに。
もし、業者が抱えている客(売主)の数が少なければ、熱心に売却活動をおこなわないと売れないでしょう。
でも、売主の数が多ければ、REINSに丸投げしておけばそのうちの何割かが売れていくだろう・・・という計算です。
だから、数が欲しいのです。「物件をすぐ売りたい人」を、たくさん集めておきたいのです。
すべてのチラシが嘘というわけではない
ここまでは「求むチラシ」について語ってきましたが、すべてのチラシが「求むチラシ」のような客集めのためのモノだとは限りません。
中には、本当に買主が「チラシをまきたい」と希望して作成したチラシの場合もあります。
住みたいエリアが決まっている場合などは、そのエリアのマンション住人に向けてピンポイントでチラシをまくこともあります。
でも、買主がそのようなチラシをまくのには時間も経費もかかりますし、現実的ではないと考えられます。
不動産会社選定のチャンスを失う危険性
「求むチラシ」によってもたらされるもっとも大きな損失は、「不動産会社選定の機会を失う」ということです。
売却を成功させるには不動産会社選びが非常に重要です。「どの仲介業者に依頼しても結果は同じ」ではありません。
「どの不動産会社と契約するべきか?」ここに時間をかけて吟味するべきなのです。
「求むチラシ」の流れに乗せられてあっさり媒介契約を結んでしてしまうということは、業者を吟味をする時間や機会を失うということになります。
「求むチラシ」の表面的な謳い文句につられることなく、売主の立場に立ってくれる業者を選ぶために、しっかり時間をかけましょう。
まとめ
- 「このマンションをお探しの方がいます!」は信じてはいけない
- 実際にはそのような「マンションを探している人」はいない
- 媒介契約を結ぶための「おとり」である
- そのようなチラシに飛びつくと業者のカモになってしまう
- カモになると適当に安く売りさばかれてしまう
- もっとも大きなリスクは不動産会社選定のチャンスを失うこと
- 売主の立場に立ってくれる業者を選ぶためには表面的な謳い文句につられてはいけない
6.売り出す前から「最後には買取もあるので安心です」と強調する業者に注意!
仲介業者の中には、「仲介」だけでなく「買取」もやってくれるところもあります。
「買取」とは、業者が直接不動産を買い取ってくれることです。「仲介」のように買主を探す必要がないので、即時に買い取ってもらうことが可能です。
また、業者自身が買主になるので100%売れるということになります。なので、「買主が見つからない」という心配がありません。
まずは「仲介」をおこない、万が一売れなかったときのために「買取」を用意しておく・・・といったようなサービスを展開している業者もあります。
でも、この「仲介」と同時に「買取」をおこなっている業者には注意しなければいけません。
特に、まだ物件を売りに出してもいないときから「当社では「買取」もやっておりますので、売れなくても安心してください!」と強く言ってくる業者には注意が必要です。
では、頻繁に「買取」を勧めてくる業者の一体どこが危険なのかについて、説明しましょう。
熱心に「仲介」をする気がない証拠
たしかに「買取保証」があると言われると、安心できますね。
「売れなかったらどうしよう・・・」といったような不安が和らぎ、焦らず落ち着いて売却に取り組むことができるようになるでしょう。
ですが、高く売りたいと思っている売主にとっては、「買取」はあくまでも「仲介」のすべり止めという位置づけであるべきなのです。
高く売りたいのなら、「仲介」を一生懸命取り組んでもらうということが、大前提なのです。
そして、それでもダメだったら「買取」をしてもらうという形です。
ところが、あまりにも早い段階から「買取」の存在を匂わせてくる業者というのは、はなから「仲介」を頑張る気持ちがないと言っているようなものです。
「最終的にウチが買い取ってあげるんだから、別に売れなくてもいいっしょ」
「だから仲介にはそんなに力を入れないよ。売主を見つけるのは大変だし」
といったような姿勢が見え隠れします。買主を探す「仲介」は、業者にとって費用も時間もかかる、大変な仕事です。手っ取り早く買い取ったほうがラクなのです。
「仲介」の実績が乏しい可能性
売主が「買取」を検討しているわけでもないのに、何度も「買取」の話をしてくる業者は、「仲介」の実績が乏しい可能性があります。
その業者は、「買取」のほうを専門的におこなっているのかもしれません。
さきほどの話と同じように、客をつかまえるために一応「仲介」という形を掲げているのです。
そのような業者に「仲介」を任せることができるでしょうか?高く買ってくれる買主を探してもらえるでしょうか?
彼らに高く売ってもらうことはあきらめて、さっさと契約解除をしたほうが良いでしょう。
熱心に「仲介」に取り組んでくれる業者に乗り換えましょう。
(「仲介業者を変えるタイミング」にリンク)
「買取」自体が悪いわけではない
ここまでは「買取」を推してくる業者についての注意点を書いてきましたが、なにも「買取」自体が悪いというわけではありません。
「買取」には「100%売れる保証がある」「即日売却できる」という大きなメリットがあります。
人によっては「買取」こそが求めるサービスであったり、「買取保証」があるからこそ、「仲介」がやりやすくなる場合もあります。
高く売りたい人が大損をしてしまう
繰り返しになりますが、「買取」が悪いわけではありません。
問題は、「仲介」として仕事を引き受けておきながら、はじめからまともに買主を探す気がない業者の体質です。
物件を安く買い取ることが目的
「高く売りたい」と思っている人がそのような業者と媒介契約 ?を結んでしまうと、大きな損をしてしまいます。
高く売りたいなら、「「買取」があるから大丈夫です!」という謳い文句に乗せられて契約してはいけません。
それはとても安心できるシステムであるかのように聞こえますし、「買取」をやっていない他の業者と比べて、強みであるようにも感じてしまいます。
ですがそのような業者の本質は、この記事で述べた通りです。ハナから高く売る気などなく、物件を安く買い取ることだけが目的なのです。
「買取」だと、どれぐらい安くなる?
「買取」による価格は、一般的に「仲介」の相場の70%〜75%と言われています。
「仲介」の相場が3000万円だとすれば、「買取」だと2100万円〜2250万円での取引ということになります。
「仲介」で3000万円で売れるチャンスがあるにもかかわらず、安易に「買取」を選んでしまうことによって、数百万円もの大きな損をしてしまう可能性があるのです。
「仲介」をしっかりとやってくれる業者を選ぶ
「早く現金化する必要がある」「時間がない」など、早く売却しなければいけない理由がない限り、「買取」を選ぶべきではありません。
そして、「買取」があることを前面に押し出してアピールし、それをエサにして媒介契約を結ぼうとする業者を選んではいけません。
もし、高く売りたいけど「買取」も合わせて検討したいという場合は、その業者が「まず「仲介」をしっかりとやってくれるのか?」ということを見極める必要があります。
まとめ
- 最初から「買取」の存在を匂わせる業者は熱心に「仲介」をする気がない
- その業者は「仲介」の実績が乏しい可能性もある
- 「買取」自体が悪いわけではない
- 確実に売りたい人や、早く売りたい人にはありがたいサービス
- 「買取」を強く推してくる業者の目的は物件を安く買い取ること
- 売れる可能性がある価格の70%〜75%で買い取られることになる
- 高く売りたいなら「仲介」をしっかりとやってくれる業者かどうかを見極める
7.安易な「仲介手数料の値引き」の提案をしてくる業者に注意!
2.売買を得意とする業者を選ぶ
一口に「不動産会社」と言っても、その種類や分野は異なります。
分譲をメインにおこなう業者、買取を得意とする業者、仲介を専門におこなっている業者など、さまざまです。
また、仲介専門の業者の中にも、マンションを得意とするものや戸建を得意とするものなど、その得意分野は異なります。
不動産売却で結果を出したいなら、「売買を得意とする業者」を選び、なおかつ「売りたい不動産とその業者の得意分野がマッチしている」ことが非常に重要です。
3.営業マンのスキルが高く、対応が良い業者を選ぶ
優良な不動産会社を選んだとしても、営業マンのスキルが低かったり対応が悪かったりすると、不動産売却は思うように進まないでしょう。
不動産売却は担当者との二人三脚でおこなうものなので、必ず「優秀な営業マンが在籍する不動産会社を選び、担当につける」ようにしましょう。
- 担当者は宅地建物取引士か?
- 自分の体験談や個別の事例の話ばかりをしていないか?
- 接客態度やマナーは悪くないか?
- 電話やメールの返事など、反応が遅くないか?
- 売主の話を聞こうという姿勢があるか?
- 高く売るための戦略やシナリオを持っているか?
- 十分な情報を、わかりやすく伝えてくれるか?
詳細はこちらの記事をごらんください。

チェックリストを効率よく活用するために
たしかに一社一社に相談してチェックするのは時間と労力がかかります。不動産売却はスピードが大事なので、そんなことに時間をかけすぎるわけにもいきません。
そこで便利なのが、一括査定サービスです。一括査定サービスを利用すると、一度に複数の業者に査定を依頼することができます。
ネット環境さえあれば誰でも簡単に利用できるので、わざわざ店舗に足を運ぶ必要もなく、電話をかける必要もありません。
一括査定サービスで複数の業者に査定を依頼し、あとは返事が来るのを待つだけです。その査定内容や対応などを、チェックリストに照らし合わせてジャッジしていけば良いのです。
これならスピーディーに、かつ費用をかけることなく、複数の業者を比較して優良な業者を見つけることができます。
一括査定サービスをより有効に利用するための方法は、こちらの記事をごらんください。
