宅地建物取引士(たくちたてものとりひきし)とは、不動産の売買・賃貸の仲介(宅地建物取引業(宅建業) ?)をおこなうプロフェッショナルです。宅建士(たっけんし)と略されます。
宅地建物取引業法(宅建業法) ?に基づき定められている国家資格者です。宅地建物取引業 | 宅地建物取引業者 | 宅地建物取引士 | 宅地建物取引業法 | |
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略称 | 宅建業 | 宅建業者 | 宅建士 | 宅建業法 |
概要 | 「不動産業」とほぼ同じ意味 | 「不動産業者」とほぼ同じ意味 | 宅建業をおこなうプロ・資格 | 宅建業の適正な運営を目指すための法律 |
目次
宅建士は不動産取引のプロフェッショナル
不動産の売買や賃貸はとても大きなお金が動きます。特に売買は何千万という大きな買い物になります。
一般の人にとって、このような大きな買い物をするということは一大事であり、とても慎重になります。ですが、知識も経験もないので、どうすればいいのかわからないですよね。
そのような人が安心しておこなえるように、適切なアドバイスをおこなうのが宅建士の仕事なのです。
宅建士にしかできない3つの仕事
法律上、宅建士の資格を持つ者にしかできない「重要な3つの仕事」があります。いずれも、契約に直接関わる仕事です。
- 重要事項の説明
- 重要事項説明書 ?への記名・押印
- 37条書面(契約書) ?への記名・捺印
重要事項の説明
不動産を買おうとする人、借りようとする人に対して、不動産に関する様々な重要事項を説明する仕事です。
重要事項とは、たとえば手付金はいくらか、不動産の所有者は誰か、不動産の広さはどれぐらいなのか、などについての項目です。また、登記 ?についての内容も含みます。
重要事項説明書への記名・押印
先述の重要事項は、内容が広く複雑なため、口頭だけで理解することは困難です。
そこで、重要事項の内容を記載した「重要事項説明書」を作成してお客さんに渡すことになっています。
その「重要事項説明書」の内容に誤りがないかを確認し、記名・押印をおこなう仕事です。
37条書面(契約書)への記名・押印
宅建業保法により、取引が成立したあとに「37条書面(契約書)」というものをお客さんに渡すことになっています。
「37条書面(契約書)」とは、契約に関する重要な部分が書かれた書面です。その「37条書面」の内容に誤りがないかを確認し、記名・押印をおこなう仕事です。
宅建士は宅建業者の事務所に必要不可欠な存在
宅建士じゃないとこのような重要な仕事を扱うことができないため、不動産会社になくてはならない存在です。
会社が宅建業を営むためには、従業員5名に対し1名の割合で宅建士を設置することが法律により条件づけられています。
5人に1名の割合で宅建士がいれば宅建業を営めるわけですが、社内に存在する宅建士が多いにこしたことはありません。
不動産業界に入ると、真っ先に宅建士の資格を取るように勧められることが多いのもこのためです。
宅建士が規定の人数に達しなくなると、宅建業を営むことができなくなります。そのまま営業を続行すると無免許営業ということになり、罰の対象になります。
宅建士は需要が多い国家資格
難易度の高い国家資格の踏み台として
宅建士の資格は、公認会計士や行政書士などの難易度の高い国家資格の踏み台として受ける人も多いです。
それらの難易度の高い国家資格に比べるとはるかに合格しやすいと言えますが、決して簡単な試験ではありません。
それなりに勉強をする必要がありますし、暗記力も試されます。特に法律について学んだことがない人にとっては、覚えることが多くて難しいでしょう。
近年の例で言うと合格率は16%ほどです。
知名度と活用度が高い資格
宅建士は国家資格の中でももっとも受験者の数が多い資格です。その理由は、知名度と活用度の高さにあります。
宅建士の資格を持っていると、不動産業界の就職に有利になるのはもちろん、その他の業界にも需要があります。
特に、金融業界におけるニーズはとても高いです。銀行での融資をおこなう際、担保として不動産を扱うことが多いので、宅建士は人材として求められているのです。
まとめ
- 宅建士は不動産取引のプロフェッショナル
- お客さんが安心して不動産取引ができるように努める
- 宅建士にしかできない3つの仕事がある
- 重要事項の説明
- 重要事項説明書への記名・押印
- 37条書面(契約書)への記名・捺印
- 宅建士がいないと宅建業を営めない
- 宅建士の資格を持っていると不動産会社の就職に有利
- 宅建士は需要が多く、受験者数も多い
- 難易度の高い国家資格の踏み台として受ける人も多い
- 不動産業界のみならず、他の業種でも就職・転職に有利