登録免許税とは、登記 ?をする際にかかる税金です。
出版権や著作権、商標権、特許権やその他免許などに関わる登録をおこなうためには登記をする必要がありますが、その際に納めないといけない税金が登録免許税です。
不動産に関する登記としては、土地や家を購入したり、建築したときにおこなう「不動産登記」があります。また、売却のときも同様に不動産登記をおこなう必要があります。
不動産登記とは
登録免許税の説明をする前に、不動産登記についてふれておきましょう。
不動産登記をひと言で言い表すと、「不動産の権利を国に証明してもらうこと」です。
国の機関のひとつである「法務局」が管理している「登記簿」に、不動産の情報や所有者の情報を記載し、権利関係が誰にでもわかるようにするのです。
不動産の権利には、以下のようなものがあります(一部)。
- その不動産が自分のものであることを主張する権利(所有権)
- お金を貸す側が、その不動産を借金の担保にする権利(抵当権 ?)
- 他人の土地を借りて、そこに建物を建てる権利(借地権)
不動産登記をおこなうことでこれらの不動産の権利が公に明らかになり、不動産の取引が安全におこなえるようになるのです。
登録免許税は登記をおこなうときにかかる税金
不動産登記を含む、すべての登記を管理しているのは法務局です。つまり国です。
国からすると、「あなたの不動産の権利を公に証明してあげるから、税金を負担してください」ということです。
ここではわかりやすいように「所有権」で説明しましょう。
たとえば、家を持っている人が「この家はわたしのものです」といくら主張したとしても、それが本当かどうかは他人にはわかりません。
では、もし「この家はわたしのものです」ということを国に証明してもらったらどうでしょうか?国が「この家はあなたのものです」と証明してくれたら、誰が見ても疑いようのない事実になるでしょう。
このように、不動産登記をおこなうことによって「この家はわたしのものです」ということを公にすることができるようになり、その結果、銀行が安心してお金を貸してくれたり取引をやりやすくなるのです。
登録免許税の計算の仕方
ここでは、不動産を売却する際におこなうべき不動産登記に限定して説明しましょう。おもに以下の3つが該当します。
- 所有権移転登記
- 住所変更登記
- 抵当権抹消登記
所有権移転登記
所有権移転登記は、「その不動産が誰のものか」を法的に証明する「所有権」を移すための登記です。
家やマンションを売ったときには、所有権移転登記をおこなって売主から買主へ「所有権」を移す必要があります。
所有権移転登記の登録免許税は、以下の計算式で求められます。
- 建物:不動産の価額×2%
- 土地(平成31年3月31日まで):不動産の価額×1.5%
- 土地(平成31年4月1日以降):不動産の価額×2%
所有権移転登記の登録免許税については、買主が負担することが通例です。双方で負担することもありますが、結局は売買契約書での合意次第です。
住所変更登記
住所変更登記は、「登記簿上の住所」を変更するための登記です。
先の所有権移転登記をおこなうためには、「登記簿上の住所」と「現住所」が一致していないといけません。もしこれらが一致していない場合は、住所変更登記をおこなう必要があります。
住所変更登記の登録免許税は、以下の計算式で求められます。
- 不動産の数×1000円
抵当権抹消登記
抵当権抹消登記は、銀行からお金を借りるときにつけられていた「抵当権」を外すための登記です。
不動産を売却するためには、ローンの残りをすべて返済する必要があります。それと同時に、抵当権抹消登記をおこなって抵当権を削除する必要があります。
抵当権抹消登記の登録免許税は、以下の計算式で求められます。
- 不動産の数×1000円
登録免許税の納付の仕方
登録免許税は、基本的に「登記申請書」という書類で納付します。銀行や郵便局で納付の手続きをおこない、その領収書を登記申請書に貼り付けて提出します。
また、オンラインで申請することも可能です。

ですが実際は、不動産登記の申請は司法書士に依頼することがほとんどです。よって、登録免許税の納付についても司法書士が代理でおこなってくれるのが一般的なので、個人が自力で納付する必要はありません。
「司法書士への報酬」と合わせて、登録免許税の費用を司法書士に支払うことになるでしょう。