譲渡所得税

譲渡所得税とは、不動産を売却したときに出た利益(譲渡所得)に対して課せられる税金です。

フドー先生
「譲渡」とは「譲り渡す」という意味だけど、「売買」も譲渡に含まれるんだ。
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譲渡所得税の計算の仕方

譲渡所得税を求めるには、次の計算式を用います。

  • 課税譲渡所得×税率
モモコさん
「課税譲渡所得」ってなに?
フドー先生
ちょっとややこしいので、図を交えながら解説するよ。

まず、不動産を売ったときの価格である「売却代金(譲渡収入価格)」を用意しましょう。この「売却代金」をもとに計算していきます。

「売却代金」から、「購入代金(取得費)」「売却費用(譲渡費用)」を引きます。その価格を「譲渡所得」と言います。

次に、その「譲渡所得」から「特別控除額」を引きます。これが「課税譲渡所得」になり、これに「税率」をかけたものが支払うべき税金である「譲渡所得税」になります。

モモコさん
なるほど。流れはわかったけど、それぞれの価格の名前がちんぷんかんぷん。
フドー先生
そうだね。じゃあ、これから順番に説明していこう。
  1. 「譲渡所得」を算出する
  2. 「課税譲渡所得」を算出する
  3. 「課税譲渡所得」に税率をかける

1.譲渡所得を算出する

まずは「譲渡所得」を計算します。「譲渡所得」とは、不動産を売却することによって得られた「利益」のことです。

「譲渡所得」は、「売却代金(譲渡収入価格)」から「購入代金(取得費)」「売却費用(譲渡費用)」を差し引いて算出します。

売却代金(譲渡収入価格)
その不動産を売却して得られた代金です。
購入代金(取得費)
その不動産を購入したときに払った代金です。その際にかかった印紙税 ?登録免許税 ?も含みます。
売却費用(譲渡費用)
その不動産を売却するときにかかった費用です。仲介手数料 ?や印紙税、建物の取り壊しの費用なども含まれます。
フドー先生
簡単に言うと、買ったときより高く売れた場合、その差額(利益)が「譲渡所得」になるというわけ。
モモコさん
じゃあ、買った時より安く売れたら、利益はないよね。その場合はどうなるの?

その不動産を買った価格よりも安く売れた場合は、「譲渡所得」がマイナスになり、「利益がない」ということになります。この場合は、譲渡所得税を支払う必要はありません。

フドー先生
「不動産売却によって利益が得られた場合のみ、税金を納めてください」ということだよ。

2.課税譲渡所得を算出する

「譲渡所得」が算出できたら、次はそれをもとに「課税譲渡所得」を算出します。

「課税譲渡所得」は、「譲渡所得」から「特別控除額」を差し引くことで求められます。

特別控除額

ある条件を満たした場合に、「譲渡所得」から差し引くことができる価格です。

代表的なものに「3000万円特別控除」があります。

モモコさん
「3000万円特別控除」ってなに?3000万円も得するの?

「3000万円特別控除」とは、居住用物件(マイホーム)の売却に限り、「譲渡所得」から最大3000万円の控除を受けることができるものです。

フドー先生
簡単に言うと、「譲渡所得」3000万円以下であれば、譲渡所得税を支払う必要がなくなるということだよ。

ただし、いくつかの条件を満たしている必要があります。

  • 所有者自身の居住用であること
  • 住まなくなってから3年が経っていないこと
  • 家族間の売買ではないこと
  • その他

所有者自身の居住用であること

「3000万円特別控除」を受けるためには、まず、所有者自身が生活をするために利用していた家であることが前提条件です。

なんらかの理由で仮住まいをしていたなど、一時的に住んでいた場合は対象になりません。

モモコさん
じゃあ、住んでいなくても住民票を移していたらオッケー?
フドー先生
たとえ住民票を移していたとしても、実際に住んでいないとダメだよ。

また、特別控除を受ける目的のみで居住した場合や、趣味や娯楽のために使用していた別荘もNGです。

住まなくなってから3年が経っていないこと

「以前に住んでいたけど、住まなくなってしまった」という家の場合でも、住まなくなった日から数えて3年が経過する年の年末までに売却をすれば「3000万円特別控除」を受けることができます。

家族間の売買ではないこと

親子や兄弟での売買の場合は、「3000万円特別控除」を受けることができません。

また、内縁関係にある人や、一緒に生活をしている親族なども対象外になります。

その他

他にも、「3000万円特別控除」を受けるための条件がいくつか存在します。

詳細は国税庁のサイトをごらんください。

No.3302 マイホームを売ったときの特例|譲渡所得|国税庁
フドー先生
この「3000万円特別控除」の他にも、いくつかの特別控除があるよ。詳細は、国税庁のサイトを見てね。

3.課税譲渡所得に税率をかける

「課税譲渡所得」を算出したら、これに「税率」をかけます。この金額が譲渡所得税となります。

「税率」は、その不動産を所有していた期間によって異なります。

所有期間が5年を超える不動産の場合は「長期譲渡所得」となり、「税率」20%になります。

所有期間が5年以下の不動産の場合は「短期譲渡所得」となり、「税率」39%になります。

  所有期間 税率(合計) 所得税 住民税
長期譲渡所得 5年超 20% 15% 5%
短期譲渡所得 5年以下 39% 30%  9%
モモコさん
家を持っていた期間が長い方が、税金が安くなるのか。

さらに、所有期間が10年を超える不動産の場合は、条件を満たしていれば「税率」を軽減することができます。これを「10年超所有軽減税率」といいます。

「10年超所有軽減税率」「税率」は、「課税譲渡所得」を、6000万円以下の部分と6000万円超の部分に分けて適用します。

税率(合計) 所得税 住民税
6000万円以下の部分 14% 10% 4%
6000万円超の部分 20% 15% 5%

まとめ

印紙税(いんしぜい)

「課税文書」と呼ばれる契約書や領収書を作成することで課せられる税金です。課税文書に「収入印紙」を貼ることで納税します。

不動産売却においては、37条書面(不動産売買契約書)が「課税文書」にあたります。37条書面に収入印紙を貼り、印紙税を納税する義務があります。

「印紙税」の詳細を見る
登録免許税(とうろくめんきょぜい)

登記をする際にかかる税金です。

出版権や著作権、商標権、特許権やその他免許などに関わる登録をおこなうためには登記をする必要がありますが、その際に納めないといけない税金が登録免許税です。

不動産に関する登記としては、土地や家を購入したり、建築したときにおこなう「不動産登記」があります。また、売却のときも同様に不動産登記をおこなう必要があります。

不動産売却の際におこなうべき不動産登記は、「所有権移転登記」「住所変更登記」「抵当権抹消登記」です。

「登録免許税」の詳細を見る
仲介手数料(ちゅうかいてすうりょう)

仲介業者に支払うお金のことです。

物件を売り買いするお手伝い(仲介)をしてくれたことに対する報酬として、売主や買主が支払います。

「不動産の成約価格の3%+6万円+消費税」で計算します。

仲介手数料は成功報酬のため、売買が成立しなかった場合は支払う必要はありません。

「仲介手数料」の詳細を見る