REINS(レインズ)

REINS(レインズ)は、不動産流通機構(指定流通機構)が運営している、コンピュータネットワークシステムの名称です。

「REINS」という名称は、「不動産流通標準情報システム」を英語であらわした「Real Estate Information Network System」の頭文字を並べたものです。

モモコさん
さっぱりわからん。
フドー先生
簡単に言うと、不動産の情報をやりとりすることができるネットワークのことだよ。

REINSって、何のためにあるの?

モモコさん
REINSって、何のためにあるの?
フドー先生
不動産取引をおこないやすくするためだよ。

REINSの目的をより具体的にいうと、次のようになります。

  • 不動産流通の円滑化のため
  • 不動産市場の透明化のため

では、順にみていきましょう。

不動産流通の円滑化のため

REINSの目的のひとつは、「不動産流通の円滑化のため」です。不動産の売り買いを滞りなくおこなえるようにしよう、ということです。

REINSを利用することによって、全国の不動産会社同士で不動産の情報を共有することができます。

たとえば、売りたい物件の情報をREINSに登録すると、その情報を全国の不動産会社が閲覧できるようになります。

それにより、多くの人に物件の情報を伝えることができるので、最適な買主を探すことができ、スムーズに売買がおこなえるようになるのです。

モモコさん
遠くに住んでいる人にも、物件の情報を知らせることができるのか。
フドー先生
そう。多くの人に伝えられるほうが、早く買主も見つかるよね。

不動産市場の透明化のため

もうひとつのREINSの目的は、「不動産市場の透明化のため」です。不動産市場の動きや状態を把握しやすくして、価格などをつけやすくしようということです。

モモコさん
不動産の価格をつけるのは難しいの?

不動産に適正な価格をつけるためには、不動産市場の動きや相場を参考にする必要があります。

「3000万円で売りたい!」と思って3000万円で売り出しても、相場からかけ離れていると、誰も買ってくれません。

モモコさん
売りたい価格をつければいいってわけじゃないのね。

REINSには、過去におこなわれた取引事例のデータが蓄積されています。過去にどのような物件がいくらで取引されたか、といったデータが無数に集まっています。

そのデータを参考にして、不動産市場の動向や相場を把握することができます。

モモコさん
REINSのデータを参考にすれば、適正な価格をつけられるってことね。
フドー先生
そうだね。REINSの膨大なデータが、不動産市場の透明化につながっているんだよ。

REINSって誰でも使えるの?

モモコさん
REINSって便利だね。早速使いたいな。どうやって使えるの?
フドー先生
REINSを使えるのは、不動産会社だけなんだよ。

REINSを利用できるのは、指定流通機構に会員登録をしている不動産会社だけです。不動産会社同士がネットワークでつながっているということです。

一般の人はREINSを利用することはできません。不動産会社と媒介契約(ばいかいけいやく) ?を結ぶことにより、物件情報をREINSに登録することができるようになります。

売主にとってのREINSのメリットは?

モモコさん
物件を売るときは、REINSに登録するとどんなメリットがあるの?
フドー先生
売主は、REINSに登録した方が売却活動がやりやすくなるよ。

売主にとってのメリットとして、「購入希望者を早く見つけることができる」ということがあります。

REINSにあなたが売りたい物件の情報を登録することによって、全国の不動産会社にその情報が行き渡ることになります。

つまり、多くの人に物件情報をお知らせすることができるわけですね。遠く離れた地域の人の中に、あなたの物件を欲しがっている人がいるかもしれません。

購入希望者を見つけるチャンスが増えるというわけです。

モモコさん
なるほど。REINSに登録していなかったら、狭い範囲でしか物件の紹介ができないのか。
フドー先生
そうだね。それだけ購入希望者が見つかるまで時間がかかるし、あまりにも長引くと売却活動に疲れてしまうよね。
モモコさん
引っ越しのスケジュールなどの関係で早く売ってしまいたい場合は、REINSに登録するしかないね。

買主にとってのREINSのメリットは?

REINSは、家やマンションを買おうと考えている人にとってもメリットがあります。

それは、希望する物件を見つけやすいということです。「家を売りたい」と思った人が、その物件の情報をREINSに登録するわけですから、REINSには全国からそのような情報が大量に集まっています。

REINSで検索することによって、買いたいと思っている物件が見つかりやすくなるわけです。

モモコさん
売る側だけでなく、買う側にもメリットがあるんだね。これは取引がやりやすくなりそう。

仲介業者にとってのREINSのメリットは?

フドー先生
REINSには売主や買主だけでなく、仲介業者にとってもメリットがあるんだよ。

過去の取引事例や現在の相場を把握できる

仲介業者にとって、依頼主の物件に価格をつけるということは重要な仕事です。

  • 価格をいくらにするか
  • 購入希望者が現れなかったときにどれぐらい価格を下げるか

これらをいかに設定するかで、物件が売れるか売れないかが左右されます。

物件に適正な価格をつけるためには、過去に似たような物件がいくらで取引されたか、現在の相場はどうなっているかなどを参考にする必要があります。

そこで役立つのがREINSです。REINSがあるおかげで、仲介業者は物件に適正な価格をつけられるというわけです。

モモコさん
物件の価格をつけるときに、REINSのデータを参考にしているのか。

ビジネスチャンスが広がる

仲介業者にとって、REINSはビジネスチャンスを広げるための有効なツールになっています。

売主側についている仲介業者としては、REINSに物件情報を登録することにより、買主が見つかりやすくなります。

一方、買主側についている仲介業者にとっても、REINSで検索することにより、物件を見つけやすくなります。

買主と売主をマッチングさせ、売買を成立させないと利益が出ない仲介業者にとって、REINSは効率化アップの役目を果たしている重要なツールなのです。

モモコさん
売主、買主、仲介業者。REINSはみんなにとってメリットがあるんだね。

まとめ

  • REINSは、不動産の情報をやりとりするためのネットワーク
  • 不動産取引をおこないやすくするのが目的
  • REINSを使えるのは、不動産会社だけ
  • 売主は、買主を見つけやすくなる
  • 買主は、物件(売主)を見つけやすくなる
  • 仲介業者は、売買を成立させやすくなる

REINSは、安心して不動産取引をおこなうためには欠かせないものです。物件の売買を成立させるために、有効活用しましょう。

媒介契約(ばいかいけいやく)

依頼主(売主)が「物件を売るお手伝いをしてください」とお金を払い、仲介業者との間で結ぶ契約のことです。

媒介契約には、一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約の3種類があります。



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