時点修正

時点修正(じてんしゅうせい)とは、過去の取引事例を参考にして査定価格 ?を算出する際に、時期の違いを考慮して修正することです。

同じ物件でも時期が違えば相場や市場の動きが変化し、結果的に売れる価格も変わります。

時点修正をおこなうことにより、査定価格の精度を高めることができるようになります。

時期が変われば売れる価格も変わる

まず、不動産の査定をする場合に多く用いられる方法として、「同じような物件の過去の取引事例を参考にする」というものがあります(取引事例比較法 ?)。

その際に、「参考にする取引事例がおこなわれた時期」から経過した年数を考慮して、現在の価値を算出するのが時点修正です。

フドー先生
取引事例比較法で査定価格を算出する際に、「時間の経過による補正」をおこなうんだ。それが時点修正だよ。

時間の経過による補正

モモコさん
時間の経過による補正?

たとえば、参考にする取引事例がごく最近のものであれば、時間の経過による補正は必要ありません。同じ時期なのですから。

ところが、参考にする取引事例が1年前のものであれば、時間の経過による補正をおこなう必要があります。

なぜなら、相場や市場というのは常に変動しているからです。1年前の相場と現在の相場は変わっている可能性があるわけです。

この場合で言うと「1年前の相場」と「現在の相場」の変化を反映させることが、「時間の経過による補正」ということになります。

フドー先生
相場が変われば、不動産の価値も変わるんだよ。

相場が高くなれば売れる価格も高くなる

モモコさん
なんとなくわかった。具体的な事例で教えて欲しいな。

たとえば、1年前に2000万円で売れた物件があるとしましょう。

その物件があるエリアは、現在では1年前に比べて住みやすい環境が整ってきて、次第にエリアの人気が上がってきた。

エリアの人気が上がるということは、住みたい人が増えて競争率も高くなり、物件の価格を高くしても売れるという状態になります。

これが「相場が高くなる」という現象の一例です。

フドー先生
高いお金を払ってまで、そこに住みたい人が増えるってことだよ。

相場が高くなったことを考慮すると、1年前に2000万円で売れた物件と同じような物件が、「2500万円でも普通に売れるのではないか」と推測できるようになるわけです。

「1年前の相場」と「現在の相場」を照らし合わせた結果、500万円の「補正値」を上乗せした査定価格を算出したということです。

モモコさん
なるほど。同じような物件でも、時期が変われば売れる価格も変わるのか。
フドー先生
逆に、そのエリアの人気が落ちたり景気が悪くなると、物件が売れる価格は下がるよ。

まとめ

  • 同じ物件でも時期が変われば売れる価格も変わる
  • 取引事例比較法に「時間の経過による補正」を加える
  • 「時間の経過による補正」とは、相場や市場の変化を反映させること
査定価格(さていかかく)

不動産会社が物件に対して「これぐらいで売れるだろう」と予測する価格です。

不動産査定をおこなうことによって算出されます。売り出し価格を決めるためのベースになるので、非常に重要です。

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取引事例比較法(とりひきじれいひかくほう)

不動産査定をおこなう手法の一つです。

「売りたい不動産と同じような不動産」の過去の取引事例と比較することで、「売りたい不動産」の価格を査定する方法です。

「取引事例比較法」の詳細を見る