時点修正(じてんしゅうせい)とは、過去の取引事例を参考にして査定価格 ?を算出する際に、時期の違いを考慮して修正することです。
同じ物件でも時期が違えば相場や市場の動きが変化し、結果的に売れる価格も変わります。
時点修正をおこなうことにより、査定価格の精度を高めることができるようになります。
時期が変われば売れる価格も変わる
まず、不動産の査定をする場合に多く用いられる方法として、「同じような物件の過去の取引事例を参考にする」というものがあります(取引事例比較法 ?)。
その際に、「参考にする取引事例がおこなわれた時期」から経過した年数を考慮して、現在の価値を算出するのが時点修正です。
時間の経過による補正
たとえば、参考にする取引事例がごく最近のものであれば、時間の経過による補正は必要ありません。同じ時期なのですから。
ところが、参考にする取引事例が1年前のものであれば、時間の経過による補正をおこなう必要があります。
なぜなら、相場や市場というのは常に変動しているからです。1年前の相場と現在の相場は変わっている可能性があるわけです。
この場合で言うと「1年前の相場」と「現在の相場」の変化を反映させることが、「時間の経過による補正」ということになります。
相場が高くなれば売れる価格も高くなる
たとえば、1年前に2000万円で売れた物件があるとしましょう。
その物件があるエリアは、現在では1年前に比べて住みやすい環境が整ってきて、次第にエリアの人気が上がってきた。
エリアの人気が上がるということは、住みたい人が増えて競争率も高くなり、物件の価格を高くしても売れるという状態になります。
これが「相場が高くなる」という現象の一例です。
相場が高くなったことを考慮すると、1年前に2000万円で売れた物件と同じような物件が、「2500万円でも普通に売れるのではないか」と推測できるようになるわけです。
「1年前の相場」と「現在の相場」を照らし合わせた結果、500万円の「補正値」を上乗せした査定価格を算出したということです。
まとめ
- 同じ物件でも時期が変われば売れる価格も変わる
- 取引事例比較法に「時間の経過による補正」を加える
- 「時間の経過による補正」とは、相場や市場の変化を反映させること