査定価格(さていかかく)は、不動産会社が物件に対して「これぐらいで売れるだろう」と予測する価格です。
査定価格は不動産査定 ?をおこなうことによって算出されます。売り出し価格 ?を決めるためのベースになる、重要なデータになります。
目次
売り出し価格を決めるためのたたき台
不動産会社に算出してもらった査定価格を、そのまま物件につけるわけではありません。
査定価格をもとに、「これぐらいの価格で売りたい」といったような売主の希望を照らし合わせることにより、物件につける価格を決めます。
最初に物件につける価格を「売り出し価格」といいます。査定価格を算出する目的は、売り出し価格を決めるためなのです。
業者によって査定価格に差が出る理由
高い査定価格をはじき出した不動産会社が、必ずしも高く売る能力があるというわけではありません。
じつは、査定価格に差が出るのには、様々な理由があるのです。決して、不動産会社の優劣が現れたものではないのです。
業者によって査定価格に差が出るおもな原因は、以下の通りです。
- 業者のスキルや実績、情報量の違い
- 参考にする市場の時間軸の違い
- 査定方法の違い
- 評価方法の違い
- 業者の意図
では、順にみていきましょう。
業者のスキルや実績、情報量の違い
まず、査定をおこなう業者の能力や実績によって、査定価格に差が生じることがあります。同じ会社でも、担当についてくれた営業マンによってもスキルや実績に差があるものです。
そして、業者には得意分野があります。マンション売却を得意とする業者や、戸建の売却を得意とする業者など、さまざまです。
マンションを売りたいなら、言うまでもなくマンション売却を得意とする業者を選ぶべきです。実績の数や情報量が多いので、査定の精度が上がります。
参考にする市場の時間軸の違い
続いて、「参考にする市場の時間軸の違い」です。これは業者の能力ではなく、方針や性格の違いによるものです。
査定というのは、市場の動きを読んでそこから予測を立てていきますが、このときに参考にする市場が「過去の市場」なのか「未来の市場」なのかが業者によって異なります。
- 過去の市場の動きを重視し、そこから売れる価格を予測する
- 未来の市場の動きを予測し、そこから売れる価格を予測する
査定方法の違い
不動産会社がおこなう査定の方法には、以下の2種類があります。
どちらの方法で査定をおこなうかによって、査定価格が変わります。
机上査定と訪問査定の違いを簡単にいうと、「業者が実際に物件を訪問するかどうか」ということになります。
物件を訪問せずに算出できる机上査定よりも、物件に足を運んで細かくチェックしていく訪問査定のほうが、査定の精度が高くなります。
評価方法の違い
不動産を査定するときの「評価方法」によっても、査定価格に違いが生じます。
不動産を評価する角度・切り口は3つあります。
- 取引事例比較法 ?
- 原価法
- 収益還元法
どの方法で不動産を評価するかによって、査定価格は変わります。不動産査定の現場でもっとも多く用いられているのは、取引事例比較法になります。
業者の意図
書きかけ
査定価格は「売れる価格」ではない
もしも、査定価格が「売れる価格」であるなら、高い査定価格を出した業者を選べば良いということになります。
でも、査定価格は「売れる価格」ではありません。あくまでも「これぐらいで売れるだろう」という予測なのです。
車査定なら、査定をした中古車買取業者が自ら買い取ることになるので、「査定価格」=「売れる価格」ということになり、「一番高い査定価格を出した業者」を選ぶのがベストということになります。
しかし、不動産査定は、査定をした不動産会社が自ら買い取るのではなく、買主を探してその人に売らなければいけません。
だから、「査定価格」=「売れる価格」とはならないのです。
「一番高い査定価格を出した業者を選びましょう」の理由
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