成約価格(せいやくかかく)とは、不動産の売買をおこなった価格です。「取引価格」「売却価格」ともいいます。
売主と買主の間で合意した、最終的な取引の価格になります。
「この価格で取引しました」という証明として、売買契約書に記載されます。
売り出し価格との違い
成約価格は「最終的に売買をおこなった価格」です。売り出し価格よりも低くなることが一般的です。
成約価格は売り出し価格より低くなる
売り出し価格をつけて物件の販売を開始したとしても、そのままストレートに取引に至ることは滅多にありません。
実際には物件が売れるまでにさまざまなことが起き、価格調整をせざるを得なくなるでしょう。
では、どのような状況で価格調整をすることになるのかを説明しますね。
買主が現れないとき
まずひとつ目は、「買主(購入希望者)現れなかったとき」です。
売主が売り出し価格をつけて物件の販売をスタートさせ、買主(購入希望者)が現れるか様子を見ます。
その結果、見事「買いたい!」という人や「訪問させてください!」という人が現れれば、次のステップに進むことになります。
ですが、購入希望者が現れなかったときは・・・値段をいくらか下げて、さらに様子を見ることになります。
このように、購入希望者が現れるまで、値下げをしながら様子を見るということを繰り返します。
買主が値下げを要求したとき
成約価格が売り出し価格より低くなるもうひとつのケースは、「買主(購入希望者)が値下げを要求したとき」です。
たとえ、値下げをせずに売り出し価格のままで購入希望者が現れたとしても、そこから「価格交渉」に入る場合があります。
たとえば、物件を見学した買主から「ちょっと高いなあ。200万円下げてくれたら買うんだけどなあ」という要望を受けたとしましょう。
売主は、200万円の値下げをするべきか検討します。「150万円までなら、下げられるんだけどなあ・・・」
そして、それを受けた買主が「仕方ない。150万円の値下げで買いましょう!」となり・・・
これで、お互いが納得する価格が決まりましたね。これが成約価格になります。
「売り出し価格=成約価格」のケース
理屈だけでいうと、上記の2つのケースに当てはまらなければ、「売り出し価格=成約価格」ということになります。
ですが実際の現場では、そううまくいきません。なんらかの形で値下げや価格交渉をおこなう場面に出くわすものです。
「成約価格は売り出し価格よりも下がるものだ」ということを念頭に置いておくことは、売却戦略や売り出し価格を決定するさいのガイドになります。
査定をする際の参考になる
成約価格は、不動産会社が査定 ?をおこなうときに参考にする、重要なデータでもあるんです。
売り出し価格や販売価格を参考にするんじゃなくて、実際に売主と買主の間で取引された価格である「成約価格」を参考にするんです。
「〇〇という物件が、いつ、どこで、いくらで取引された」といったデータをREINSより引き出し、そのデータを参考にして査定をおこないます。
このように過去の成約価格を参考にして、不動産を評価する方法を取引事例比較法 ?といいます。
取引事例比較法を用いた簡易的な査定を机上査定 ?といい、それに加えて実際に物件を訪問して本格的に査定をすることを訪問査定 ?といいます。
まとめ
- 成約価格は売り出し価格より低くなる
- 買主が現れないと売り出し価格より低くなる
- 買主が値下げを要求することで売り出し価格より低くなる
- 「売り出し価格=成約価格」のケースもある
- 査定をする際の参考になる