一括査定を正しく利用して不動産会社を「逆査定」する方法

不動産売却の成否は「不動産会社選び」にかかっています。売主の立場に立ってくれる不動産会社を選ぶことさえできれば、うまくいったも同然です。

不動産会社を選ぶ際には一括査定サービスを利用して、複数の不動産会社に査定をしてもらうことが大事です。

モモコさん
で、一番高い査定価格を出してくれた会社を選べばいいんだよね!
フドー先生
それは間違い!そんなことしてたら、高く売れないよ。
モモコさん
そうなの!?どこのサイトにもそのようなことが書かれてるけど・・・?

大事なのは査定価格の高さではありません。高い査定価格を出した業者に依頼すれば、高く売れるわけではありません。

そんな不動産会社の選び方をしていては、「売れ残ってしまう」か「安く買い叩かれる」という結果にしかなりません。

・・・儲けたい不動産会社の「思うツボ」です。

ですが、一括査定を利用する本当の目的を理解しておけば、思い通りの価格で家を売ることが可能になるでしょう。

モモコさん
一括査定の本当の目的?

というわけで、不動産会社を見極めるために一括査定を最大限活用する「本当の使い方」を紹介します。

査定を利用して業者を「逆査定」する

結論から言いましょう。一括査定を利用する本当の目的は、「不動産会社を見極めるため」です。

複数の不動産会社に査定を申し込み、「どんな査定をおこなうか」を見ることにより、その業者の体質やスキルを見抜くことができるのです。

フドー先生
不動産を査定する業者を、売主が逆にする。つまり「逆査定」だよ。
モモコさん
なぜ逆査定をする必要があるの?

不動産会社はたくさんありますが、すべての不動産会社が「売主に優しい」わけでも、「スキルが高い」わけでもありません。

  • 売主からうまいことお金を取ろうとしている
  • スキルに差がある

このような不動産会社もあるわけです。売主としては、ココを見抜かないといけません。

売主からうまいことお金を取ろうとしている

先ほどは「高い査定査定を出した業者をを選んではいけない」と言いましたが、高い査定価格を出した不動産会社がダメなのではなく、「それを鵜呑みにするのは危険」ということです。

きちんと査定をした結果、高い査定価格になったのであれば問題ありませんが、売主ととあえず媒介契約 ?を結ぶことを目的として、高い査定価格を出す業者も多いのです。

高い査定価格で釣っておいて、媒介契約を結んだあとはテキトーに両手取引 ?を狙う・・・そのようなシナリオです。

モモコさん
悪い業者もいるのね・・・。
フドー先生
つまり、「なぜその査定価格になったのか?」を問うことが重要なんだ。

査定価格を比較するのではありません。他の業者と比べてべらぼうに高い査定価格を出した業者がいれば、「契約目的のエサではないか?」と疑いましょう。

スキルに差がある
査定価格は、不動産会社によってバラツキがあります。その理由は、先ほどのように「売主に対する姿勢」の違いの他に、「スキルの違い」にも起因します。

すべての不動産会社が売却をメインにおこなっているとは限りません。賃貸がメインの業者も存在します。

フドー先生
売却実績が乏しい業者だと、的外れな査定価格を出したりすることがあるんだ。

また、マンションの売却を得意とするか、戸建の売却を得意とするかといった違いもあります。

モモコさん
なるほど。高い査定価格を出してきたからといって、簡単に信用してはいけないということがわかってきた。
フドー先生
「きちんと査定をしてくれる業者かどうか?」を確かめるために、査定をやってもらうんだね。

一括査定を利用して複数の業者に査定をしてもらい、その査定結果や売主に対する態度などを比較して逆査定するのです。

不動産を査定している業者こそが、本当の査定の対象なのです。

逆査定をおこなうために便利な一括査定

もし一社だけに査定を依頼していては、比較することができないので逆査定することができません。

逆査定をおこなうためには同時に複数の業者に査定を依頼する必要があります。

モモコさん
わざわざ一社一社に連絡をして、査定をしてもらうの?それは手間だし時間がかかりそう・・・。

そこで利用するべきなのが一括査定サービスです。一括査定サービスはネットで簡単に利用することができ、一度に複数の業者に査定を依頼することができます。

一社一社に連絡をする必要もなく、不動産屋さんに足を運ぶ必要もありません。一括査定を申し込んだあとは、査定結果が返ってくるのを待つだけです。

しかも無料で利用できます。

モモコさん
なるほど。一括査定サービスを利用すれば、短時間で一気に悪い業者をあぶり出すことができるというわけか。
フドー先生
時間がない、面倒臭いという人でも問題ないね。

ではここからは、逆査定をおこなうために便利な一括査定サービスを、より効果的に活用する方法を紹介します。

まずはだいたいの相場を把握しておく

不動産会社に査定を依頼する前に、まずは自分の地域の相場をだいたいでも良いので把握しておくことが大事です。

相場を把握しておかないと、出された査定価格に対して判断することができません。たとえば低すぎる査定価格を提示されたとしても、「そんなものか」と鵜呑みにしてしまうでしょう。

でも相場をだいたいでも把握していると、「この業者は査定の仕方がおかしいのでは?」「あまり実績がないのでは?」と気づくことができます。

相場を知ることが、査定価格や業者をジャッジする「ものさし」になるのです。

フドー先生
逆査定をするためには、相場を把握しておくことが絶対条件だよ。
モモコさん
そうか。で、相場ってどうやって調べるの?

相場はポータルサイト ?などを利用することで簡単に調べることができます。詳細はこちらの記事をごらんください。

不動産売却査定の前に!家やマンションの相場を把握する方法
家やマンションがいくらで売れるかを知るには、不動産会社にをしてもらうのが一番有効です。 でも、その前に自分である程度の相場を把握し...

査定の結果をチェックして業者を逆査定する

だいたいの相場をチェックしたら、いよいよ一括査定を申し込みましょう。

複数の業者に査定を依頼し、査定結果や査定の根拠、担当者の態度などを見て、「売主の見方になってくれる業者か?」を判断しましょう。

モモコさん
具体的に、どのように判断すれば良いの?

「判断基準がわからない」「どんな業者が売主の見方になってくれる業者なのかわからない」という人のために、「不動産会社選びのチェックリスト」を用意しました。

この項目に沿って不動産会社をチェックしていくだけで、優良な業者と悪い業者を見分けることができます。

モモコさん
おお、これなら判断基準が明確だね。
フドー先生
無知な売主を騙そうとする業者もたくさんいるからね。しっかりとチェックしよう。

まとめ

  • 一括査定をおこなう目的は「高い査定価格を出してくれた業者を探す」ことではない
  • 査定を利用して業者を「逆査定」する
  • 「どんな査定をおこなうか」を見ることにより、その業者の体質やスキルを見抜く
  • 逆査定をおこなうためには一括査定サービスを利用すると便利
  • 査定価格をジャッジするために、だいたいの相場を把握しておく
  • 「不動産会社選びのチェックリスト」に沿ってチェックしていく
媒介契約(ばいかいけいやく)

依頼主(売主)が「物件を売るお手伝いをしてください」とお金を払い、仲介業者との間で結ぶ契約のことです。

媒介契約には、一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約の3種類があります。



「媒介契約」の詳細を見る
両手取引(りょうてとりひき)

ひとつの不動産会社が、売主と買主の両方を仲介することです。「両手仲介」「両手」ともいいます。

売主から物件の売却を依頼された仲介業者が、買主を見つけて取引をすることで発生します。

これに対し、売主と買主のいずれかのみを仲介することを「片手取引」といいます。



「両手取引」の詳細を見る
ポータルサイト

「その分野に関する多くの情報を扱っている巨大なサイト」のことです。

不動産業界におけるポータルサイトとは、物件の情報をたくさん掲載している総合サイトのことを指します。

不動産業界の大手ポータルサイトとしては、SUUMO、HOME’S、at home、O-uccino、Yahoo!不動産などが挙げられます。

「ポータルサイト」の詳細を見る