そろそろ家を売りたいんだけど、どんな経費がどれぐらいかかるのかしら? | ![]() |
不動産を売却する際には、さまざまな費用がかかります。「家を売る」と言っても、お金が入ってくるばかりではないのです。
売却を手伝ってくれた不動産会社へ支払う仲介手数料 ?をはじめ、登記 ?をおこなうことによってかかる税金やハウスクリーニング代など、必要な費用はたくさんあります。
家を売ることに必死になるあまり、費用がいくらかかるのかを確認していないと、予想外の出費に驚くことになるかもしれません。
不動産売却を滞りなく進めるためにも、売却にかかる費用にはどんなものがあり、どれぐらいかかるのかをしっかりと把握しておきましょう。
売却にかかる費用を「税金」「手数料」「その他」の3つに分類し、順に説明していきます。
税金
譲渡所得税
譲渡所得税 ?とは、不動産の売却によって出た利益(譲渡所得)に課せられる税金です。よって、不動産の売却によって利益が出なかった場合は、納付する必要がありません。
譲渡所得税は、次の計算式で求められます。
- 課税譲渡所得×税率
また、譲渡所得税にはさまざまな「特別控除」が設けられているので、売却での利益が出た場合でも支払う必要がなくなる場合もあります。
たとえば、居住用物件に限り、譲渡所得が3000千万円以下なら支払いを免除される「マイホームの3000万円特別控除」などがあります。
詳細は譲渡所得税の用語説明ページをごらんください。
住民税
住民税 ?も譲渡所得税と同様に、売却での利益が出た場合にのみ納付する必要があります。厳密に言うと、住民税は譲渡所得税の内訳に含まれています。よって、住民税は譲渡所得税と同時に計算することになります。
詳細は住民税の用語説明ページをごらんください。
印紙税
印紙税 ?は、37条書面(売買契約書) ?の作成の際に必要な税金です。買主と不動産売買の契約が成立したあとに、不動産会社から37条書面を渡されることになります。
この37条書面は、印紙税法という法律で定められた「課税文書」にあたります。課税文書の作成の際には、印紙税の納付が義務付けられているのです。
37条書面に関する印紙税の額面は、その不動産を取引した売買価格(成約価格) ?がいくらかによって異なります。
売買価格 | 印紙税 |
1000万円〜5000万円 | 1万円 |
5000万円〜1億円 | 3万円 |
1億円〜5億円 | 5万円 |
詳細は印紙税の用語説明ページをごらんください。
登録免許税
登録免許税 ?は、不動産登記 ?をおこなうときにかかる税金です。不動産登記とは、法務局が管理する「登記簿」に不動産の情報や所有者の情報を記録することです。これにより、不動産の権利関係を公にすることができるようになります。
不動産を売却するときにおこなう不動産登記は、以下の通りです。それぞれの登記をおこなうごとに、税金が課せられます。
- 所有権移転登記
- 住所変更登記
- 抵当権抹消登記
登録免許税 | 税額 |
所有権移転登記(建物) | 不動産の価額×2% |
所有権移転登記(土地) | 不動産の価額×1.5%(平成31年3月31日まで) 不動産の価額×2%(平成31年4月1日以降) |
住所変更登記 | 不動産の数×1000円 |
抵当権抹消登記 | 不動産の数×1000円 |
なお、所有権移転登記は買主と売主の双方でおこなうことになりますが、その際にかかる登録免許税は買主が負担することが通例となっています。
詳細は登録免許税の用語説明ページをごらんください。
手数料
仲介手数料
仲介手数料 ?とは、不動産売却を依頼した不動産会社に支払う報酬です。仲介手数料は成功報酬なので、ただ依頼するだけでは発生せず、売買が成立することではじめて支払うことになります。
仲介手数料は次の計算式で求められます。
- 不動産の成約価格の3%+6万円+消費税
この計算式はあくまでも「上限」を定めたものであり、「これ以上高く設定することはできない」ということです。なので、業者によっては仲介手数料を安く設定している場合や、無料にしている場合もあります。
詳細は仲介手数料の用語説明ページをごらんください。
司法書士への報酬
先ほど紹介した登録免許税は不動産登記をおこなう際にかかる税金ですが、不動産登記をおこなうときは司法書士に依頼することが一般的です。
司法書士を通さず、個人で不動産登記をおこなうこともできますが、専門知識が必要で簡単ではありません。
不動産登記を依頼した司法書士に支払う報酬も、「不動産売却にかかる費用」として計上しておく必要があります。
不動産の売却時におこなう不動産登記には「所有権移転登記」「住所変更登記」「抵当権抹消登記」がありますが、それぞれの登記をおこなうごとに司法書士への報酬が発生します。
司法書士への報酬は自由化されているので、いくら支払うのかは司法書士によって異なります。だいたいの相場は以下の通りです。
不動産登記 | 司法書士への報酬 |
所有権移転登記 | 3万円〜5万円 |
住所変更登記 | 1万円〜2万円 |
抵当権抹消登記 | 1万円〜2万円 |
ちょっとややこしいのですが、司法書士へはこれらの「報酬」だけではなく「登録免許税の立て替え」分の金額も一緒に支払うことになります。
そもそも登録免許税は、「売主が登記をする際におさめる税金」です。不動産登記をおこなうと同時に納付することになっています。
ですが、多くの場合は不動産登記は個人でおこなわず、司法書士に代行してもらいます。なので、登録免許税もかわりに支払ってもらうことになります。
このように、司法書士への支払いは「報酬」と「登録免許税」を合わせたものになります。請求書にも、そのように内訳が振られているはずなので確認しましょう。
他にも、司法書士が登記をおこなう際に必要な経費として「交通費」を加算される場合もあります。
繰越返済手数料
その他
追加の広告費
不動産を売却する際におこなう広告については、基本的に仲介業者が負担することになります。
ですが、売主の要望で広告を追加依頼した場合、その分の広告費を仲介業者から請求される可能性があります。
中には、業者のほうから「チラシを追加して作成しますか?」と打診してきたにもかかわらず、それに承諾すると「売主の意向」と見なされ、広告費を請求される場合もあります。
広告費の負担については業者によってマチマチです。あとでトラブルにならないよう、広告をおこなう際には誰が費用を負担するのか、確認しておきましょう。
ハウスクリーニング費用
購入検討者が内覧 ?に訪れるときや、売却が決まって退去するときなど、部屋をキレイにしておく必要があります。
自分で掃除をすることもできますが、面倒に感じることや手が回らないこともあるでしょう。そのようなときはハウスクリーニング業者に依頼することになるので、その費用も計算しておきましょう。
ハウスクリーニングの費用は部屋の大きさ、または居住中か空室かによって変わってきます。
引っ越し費用
売却には直接関係ありませんが、売却後に住み替えをする予定なら、新居への引っ越し代も計算しておきましょう。