物件を売り出してもまったく反応がないということがあります。この場合、まず「なぜ売れないのか」を見極める必要があります。
その結果、「物件を売り出している価格が高い」ことが原因で物件が売れないと判明したとしましょう。
この場合、値下げをする必要がありますよね。
ここで重要なポイントがあります。それは、値下げをおこなう時期です。
じつは、値下げをすることによって、大きな効果を出せる「時期」というものがあるのです。
ここでは、値下げをおこなうことによって損をしてしまわないように、値下げの効果が高い時期と低い時期について説明します。
値下げするべき時期
「値下げをする」という行動をするにしても、「いつやるか」によってその効果は大きく違ってきます。
せっかく同じ値下げをするんだったら、効果的におこないたいですよね?効果が低い値下げをおこなうと、「ただ物件の値段が下がっただけ」の状態になり、買い手にアピールすることができません。
その業者が、値下げの効果がある時期を理解していないかもしれませんし、そもそも何も考えずとにかく値下げをしたいだけかもしれません。
あなたが「値下げをおこなうべきタイミング」を把握しておくことによって、業者を試すこともできるでしょう。
もっとも値下げの効果が現れるのは1月と2月
1年のうち、もっとも値下げの効果が現れるのは1月と2月です。
「値下げをしよう」と思ったのが1月〜2月であれば、早めに実行してしまいましょう。
1年のうち、1月と2月はもっとも買い手が多くなる時期です。
転勤や入学など、新生活のスタートに合わせて物件を探す人が増えることは想像できますよね。4月に入る前に、物件の購入と引っ越しを検討する人が増えるのです。
多くの人が物件情報を注目する時期なので、このタイミングに値下げをおこなうと購入検討者が現れやすいのです。
12月は値下げの効果が少ない
一方、1年のうちでもっとも値下げの効果が少ないのは12月です。
12月はもともと不動産が売れにくい時期なのです。なので、値下げをしても目立つ効果も現れません。
12月は現在の価格をキープしておき、1月に入ったタイミングで値段を下げるといいでしょう。
1月に値下げをした新価格でオープンルームをおこなうなどの戦略が有効です。
9月末も値下げの効果が現れやすい
9月末から10月にかけても、値下げが有効なタイミングです。
秋のこの時期は新築マンションの販売が多くなるので、中古マンションにとっても大きく売るチャンスになるのです。
新築を買おうと思っている人の中から、「やっぱり高いし、中古でいいかな」というふうに中古を検討しだす人もいるわけです。
値下げの効果が大きい | 1月〜2月・9月末〜10月 |
値下げの効果が小さい | 12月 |
値下げをするときは慎重に
このように、値下げをする時期を慎重に選ばないと、せっかく値下げしても大きな影響を与えられないことがあるのです。
注目されていない時期に値段を下げても「お得感」を演出できないのです。
このような値下げをする時期の重要さを考慮せず、「今すぐ価格を下げましょう!」と提案してくる業者は、「売主のことを考えていない」か「戦略性に乏しい」かのどちらかでしょう。
物件の値段を下げると、買い手側が喜びますよね。つまり、成約させやすくなるわけです。
成約させなければ、仲介業者としては利益を確保することができません。仲介すること自体は「無料」ですから。
業者からすると、安くなってもいいからとにかく成約させて、仲介手数料 ?をゲットしたいわけです。
- やるべきことをやったうえでの値下げなのか?
- 値下げをして効果が現れるタイミングなのか?
- そのことを、業者は理解しているのか?
業者から値下げの提案を受けたときには、一度立ち止まってこのようなことを考えるようにしましょう。
「やるべきことをやったうえでの値下げなのか?」をチェックするには、以下の記事を参考にしてください。

まとめ
- 値下げをいつおこなうかによって効果に差が出る
- 値下げの効果が大きいのは1月〜2月、9月末〜10月
- 値下げの効果が小さいのは12月
- 業者から値下げの提案があっても、値下げをするべき時期なのか検討する
- 「業者が値下げのタイミングを考慮しているのか」を疑う
- 値下げをするのは「やるべきことをやった」ことが前提