担当者のレベルを瞬時に見極める「3つの質問」

不動産売却の成否のカギは「不動産会社選び」です。そして、会社選びと同じくらい重要なのが、「担当者選び」です。

実際に売却を進める際には担当についてくれた営業マンと連絡を取り合うことになります。だから、たとえ会社が優良でも担当者が頼りなかったり対応が悪かったりすると、売却は難航することになります。

モモコさん
具体的に、どんな担当者ならオッケーなの?

担当者に求められる要素とは、「きちんとコミュニケーションがとれる」「相性が合う」「相談しやすい・相談に乗ってくれる」などにくわえて、もっとも重要なのが「不動産取引のスキルや提案のレベルが高い」ということです。

ここでは、不動産売却を任せるに値する担当者の条件と、その選び方について説明します。

担当者のスキルやレベルを見極めるには?

モモコさん
担当者の「不動産取引のスキルや提案のレベル」を知るには、どうすればいいの?
フドー先生
質問を用意しておくといいよ。
モモコさん
そうか、「本当にこの査定価格で売れますか?」って質問すればいいんだね。
フドー先生
残念。じつはそのような質問は意味がないんだ。

たしかに、査定価格 ?通りに売れるのかどうかは非常に気なるでしょう。ですが、その質問をしても担当者の能力を見極めることにはなりません。

査定価格はあくまでも予想の価格であり、売れるかどうかは売ってみないとわからないからです。

買い手あっての不動産売買なので、売れるかどうかは市場次第です。売り出して市場の様子を見ながら調整するしかないのです。

したがって、このような的外れな質問をしても時間の無駄にしかなりません。

モモコさん
じゃあ、どんな質問をすればいいの?
フドー先生
担当者のスキルやレベルを一瞬で見極めることができる「3つの質問」があるんだ。

「3つの質問」をするだけで担当者のレベルがわかる

モモコさん
3つの質問?

担当者のスキルやレベルを手っ取り早く確かめたいなら、次の「3つの質問」をおこなうだけでオッケーです。

  • どういったときに価格を下げますか?
  • 購入されるターゲットは、どのような人ですか?
  • 広告活動は、どの程度やってくれますか?

質問1「どういったときに価格を下げますか?」

「どういったときに価格を下げますか?」と質問することで、「価格戦略のスキル」が高いかどうかがわかります。

じつは不動産売却において重要なのは、「売り出し価格」よりも「値下げ」なのです。

「いくらの価格で売り出すか」よりも、「売れなかったときにどのように値下げをするか?」が大事であり、担当者の手腕が問われるのです。

モモコさん
そうなの?値段を下げるなんて簡単なことじゃん。
フドー先生
ただ値段を下げれば良いというものではないんだよ。

値下げをおこなう際には、タイミングと値下げ額の設定が非常に重要になります。

やみくもに値下げをして安く売るのは簡単ですが、「できるだけ価格を高く保ったまま、買主を探す」ためには、市場を読む目や経験からくる判断力などが試されます。

モモコさん
そうか、みんなできるだけ高く売りたいもんね。

もしこの質問をしたとき、「売り出してから○週間は様子を見て、売れなかったら○百万円の値下げをしましょう」というように、具体的な値下げ額とタイミングを提示してくれれば、信用できるでしょう。

逆に値下げのタイミングやスケジュールを提案してくれず、曖昧な返事しかない担当者は、売却スキルが低いと見てよいでしょう。

フドー先生
もしくは、適当に安く売りさばこうとしているのかもしれないね。
良い担当者
最初の1ヶ月は強気に2500万円で挑戦し、それでも売れなければ査定通りの2300万円に下げましょう。
ちょっと古い物件なので、査定価格通りの2000万円で売り出し、2週間経っても申し込みがなければ1800万円に落としましょう。
悪い担当者
値下げはわたしの判断でやりますから。お任せください!
良い物件なんで、値下げのことはあまり気にしないでも売れると思いますよ。

値下げのスケジュールを立てる重要性については、こちらの記事をごらんください。

不動産をスムーズに売却するために必要な「売却スケジュール」
不動産会社に出してもらったをもとにを決めますが、このときにあわせて売却スケジュールを立てます。 不動産を思い通りに売却するため...

質問2「購入されるターゲットは、どのような人ですか?」

「購入されるターゲットは、どのような人ですか?」と質問することで、「売却戦略を立てるスキル」が高いかどうかがわかります。

中古マンションを売るには、「中古マンションを買う人は、どのような人か?」を考えることが必要です。「新築マンションではなく中古マンションを選ぶ」ということには、なにかしらの理由があるはずなのです。

モモコさん
新築より安いから、とか?
フドー先生
それも理由のひとつとしてあるだろうね。

そして、中古マンションを買おうと思う理由にも、種類があります。「なぜ、このマンションを買おうと思うのか?」という購入理由を考えることが、売却戦略を立てるための大きなヒントになるのです。

よって、「あなたの物件を買う人はどんな人か?」というターゲットを明確にすることができる担当者なら、売却の可能性が高くなるといえます。

フドー先生
買い手の都合や気持ちを理解することができる担当者かどうかをチェックしよう。

質問3「広告活動は、どの程度やってくれますか?」

「広告活動は、どの程度やってくれますか?」と質問することで、「広告をきちんと打ってくれるか」がわかります。

不動産売却を成功させるには、多くの人に情報を届けることが肝心です。特に、最近ではオンラインによる広告が大きな効果があります。

モモコさん
オンラインによる広告?

不動産会社のホームページやポータルサイト ?などに物件の情報を掲載することです。最近は物件を探す人の多くがネット検索を利用するため、オンライン広告の効果が高いのです。

よって、広告による営業をきちんとおこなってくれる担当者を選ぶことが大事なのです。

この質問に対し、具体的にどのように広告展開をしてくれるのか答えてくれる担当者なら、信用してみてもいいでしょう。

モモコさん
なるほど。これは質問しておかないといけないね。
フドー先生
ただし、良い答えが返ってきても鵜呑みにしてはいけないよ。

中には「このように広告をおこないます」と宣言しておきながら、実際にはおこなわない業者も存在します。

なので、きちんと広告をおこなってくれているかは売主自身がチェックする必要があります。

広告をおこなってくれているかのチェックの方法についてはこちらの記事をごらんください。

インターネットを活用した広告活動は十分におこなわれているか?
不動産売却のカギは、広告活動です。広告活動をしっかりおこなわない限り、売れるわけがありません。 特に現在ではインターネットでの広告...

担当者をより詳細に見極めたいなら

以上のように「3つの質問」をするだけで、担当者に求められる主要なスキルが備わっているかどうかを確かめることができます。

  • 真剣に高く売ろうとする姿勢のない担当者
  • 会社の利益のために両手取引 ?囲い込み ?を狙おうとする担当者
  • 経験が浅くスキルが未熟な担当者

このような担当者は、「3つ質問」にまともに答えることはできないでしょう。

モモコさん
質問をしてどんな答えが返ってくるかをチェックするだけだから、誰にでもできるね。
フドー先生
今回紹介した「3つの質問」だけでも十分見極めることができるけど、より細かく見極めたいなら次のリストをチェックするといいよ。

まとめ

  • 「担当者選び」は「不動産会社選び」と同じくらい重要
  • 担当者にもっとも求められるのは「不動産取引のスキルや提案のレベル」
  • 3つの質問をするだけで担当者を見極めることができる
  • 質問1「どういったときに価格を下げますか?」
  • 質問2「購入されるターゲットは、どのような人ですか?」
  • 質問3「広告活動は、どの程度やってくれますか?」
  • より厳しくチェックしたいならチェックリストを活用
査定価格(さていかかく)

不動産会社が物件に対して「これぐらいで売れるだろう」と予測する価格です。

不動産査定をおこなうことによって算出されます。売り出し価格を決めるためのベースになるので、非常に重要です。

「査定価格」の詳細を見る
ポータルサイト

「その分野に関する多くの情報を扱っている巨大なサイト」のことです。

不動産業界におけるポータルサイトとは、物件の情報をたくさん掲載している総合サイトのことを指します。

不動産業界の大手ポータルサイトとしては、SUUMO、HOME’S、at home、O-uccino、Yahoo!不動産などが挙げられます。

「ポータルサイト」の詳細を見る
両手取引(りょうてとりひき)

ひとつの不動産会社が、売主と買主の両方を仲介することです。「両手仲介」「両手」ともいいます。

売主から物件の売却を依頼された仲介業者が、買主を見つけて取引をすることで発生します。

これに対し、売主と買主のいずれかのみを仲介することを「片手取引」といいます。



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囲い込み(かこいこみ)

売主から売却の依頼を受けた不動産を、仲介業者が自社で囲い込み、他社からの照会を拒否することです。

ひとことで言うと「物件情報の独り占め」です。

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