不動産売却の成否のカギは「不動産会社選び」です。そして、会社選びと同じくらい重要なのが、「担当者選び」です。
実際に売却を進める際には担当についてくれた営業マンと連絡を取り合うことになります。だから、たとえ会社が優良でも担当者が頼りなかったり対応が悪かったりすると、売却は難航することになります。
担当者に求められる要素とは、「きちんとコミュニケーションがとれる」「相性が合う」「相談しやすい・相談に乗ってくれる」などにくわえて、もっとも重要なのが「不動産取引のスキルや提案のレベルが高い」ということです。
ここでは、不動産売却を任せるに値する担当者の条件と、その選び方について説明します。
目次
担当者のスキルやレベルを見極めるには?
たしかに、査定価格 ?通りに売れるのかどうかは非常に気なるでしょう。ですが、その質問をしても担当者の能力を見極めることにはなりません。
査定価格はあくまでも予想の価格であり、売れるかどうかは売ってみないとわからないからです。
買い手あっての不動産売買なので、売れるかどうかは市場次第です。売り出して市場の様子を見ながら調整するしかないのです。
したがって、このような的外れな質問をしても時間の無駄にしかなりません。
「3つの質問」をするだけで担当者のレベルがわかる
担当者のスキルやレベルを手っ取り早く確かめたいなら、次の「3つの質問」をおこなうだけでオッケーです。
- どういったときに価格を下げますか?
- 購入されるターゲットは、どのような人ですか?
- 広告活動は、どの程度やってくれますか?
質問1「どういったときに価格を下げますか?」
「どういったときに価格を下げますか?」と質問することで、「価格戦略のスキル」が高いかどうかがわかります。
じつは不動産売却において重要なのは、「売り出し価格」よりも「値下げ」なのです。
「いくらの価格で売り出すか」よりも、「売れなかったときにどのように値下げをするか?」が大事であり、担当者の手腕が問われるのです。
値下げをおこなう際には、タイミングと値下げ額の設定が非常に重要になります。
やみくもに値下げをして安く売るのは簡単ですが、「できるだけ価格を高く保ったまま、買主を探す」ためには、市場を読む目や経験からくる判断力などが試されます。
もしこの質問をしたとき、「売り出してから○週間は様子を見て、売れなかったら○百万円の値下げをしましょう」というように、具体的な値下げ額とタイミングを提示してくれれば、信用できるでしょう。
逆に値下げのタイミングやスケジュールを提案してくれず、曖昧な返事しかない担当者は、売却スキルが低いと見てよいでしょう。
最初の1ヶ月は強気に2500万円で挑戦し、それでも売れなければ査定通りの2300万円に下げましょう。 | ![]() |
ちょっと古い物件なので、査定価格通りの2000万円で売り出し、2週間経っても申し込みがなければ1800万円に落としましょう。 | ![]() |
値下げはわたしの判断でやりますから。お任せください! | ![]() |
良い物件なんで、値下げのことはあまり気にしないでも売れると思いますよ。 | ![]() |
値下げのスケジュールを立てる重要性については、こちらの記事をごらんください。

質問2「購入されるターゲットは、どのような人ですか?」
「購入されるターゲットは、どのような人ですか?」と質問することで、「売却戦略を立てるスキル」が高いかどうかがわかります。
中古マンションを売るには、「中古マンションを買う人は、どのような人か?」を考えることが必要です。「新築マンションではなく中古マンションを選ぶ」ということには、なにかしらの理由があるはずなのです。
そして、中古マンションを買おうと思う理由にも、種類があります。「なぜ、このマンションを買おうと思うのか?」という購入理由を考えることが、売却戦略を立てるための大きなヒントになるのです。
よって、「あなたの物件を買う人はどんな人か?」というターゲットを明確にすることができる担当者なら、売却の可能性が高くなるといえます。
質問3「広告活動は、どの程度やってくれますか?」
「広告活動は、どの程度やってくれますか?」と質問することで、「広告をきちんと打ってくれるか」がわかります。
不動産売却を成功させるには、多くの人に情報を届けることが肝心です。特に、最近ではオンラインによる広告が大きな効果があります。
不動産会社のホームページやポータルサイト ?などに物件の情報を掲載することです。最近は物件を探す人の多くがネット検索を利用するため、オンライン広告の効果が高いのです。
よって、広告による営業をきちんとおこなってくれる担当者を選ぶことが大事なのです。
この質問に対し、具体的にどのように広告展開をしてくれるのか答えてくれる担当者なら、信用してみてもいいでしょう。
中には「このように広告をおこないます」と宣言しておきながら、実際にはおこなわない業者も存在します。
なので、きちんと広告をおこなってくれているかは売主自身がチェックする必要があります。
広告をおこなってくれているかのチェックの方法についてはこちらの記事をごらんください。

担当者をより詳細に見極めたいなら
以上のように「3つの質問」をするだけで、担当者に求められる主要なスキルが備わっているかどうかを確かめることができます。
このような担当者は、「3つ質問」にまともに答えることはできないでしょう。
- 担当者は宅地建物取引士か?
- 自分の体験談や個別の事例の話ばかりをしていないか?
- 接客態度やマナーは悪くないか?
- 電話やメールの返事など、反応が遅くないか?
- 売主の話を聞こうという姿勢があるか?
- 高く売るための戦略やシナリオを持っているか?
- 十分な情報を、わかりやすく伝えてくれるか?
まとめ
- 「担当者選び」は「不動産会社選び」と同じくらい重要
- 担当者にもっとも求められるのは「不動産取引のスキルや提案のレベル」
- 3つの質問をするだけで担当者を見極めることができる
- 質問1「どういったときに価格を下げますか?」
- 質問2「購入されるターゲットは、どのような人ですか?」
- 質問3「広告活動は、どの程度やってくれますか?」
- より厳しくチェックしたいならチェックリストを活用