不動産をスムーズに売却するために必要な「売却スケジュール」

不動産会社に出してもらった査定価格 ?をもとに売り出し価格 ?を決めますが、このときにあわせて売却スケジュールを立てます。

不動産を思い通りに売却するためには、状況によって値下げなどをおこなってコントロールする必要があります。ですが、やみくもに値下げをしていては良い結果は得られません。

計画的に値下げをおこなうためには、売却スケジュールが必要不可欠なのです。

ここでは、売却スケジュールを立てる意味と立て方について説明します。

売却スケジュールを立てる目的と効果

売却スケジュールをあらかじめ決めておくことによって、安心して売却に取り組むことができるようになります。

具体的には、以下のような効果が見込めます。

  • 買主が現れなくても、焦らなくなる
  • 急な値下げの提案をされなくなる

 

買主が現れなくても、焦らなくなる

たとえば、思ったより買主が現れないとき、売却スケジュールを立てていないと次のような不安に襲われます。

「なんで売れないんだろう?」

「早く値下げをしないといけないんじゃ・・・」

このように焦ってしまい、売り急いで的外れな値下げをしてしまい、その結果大損してしまうことに・・・なんて事態になりかねません。

モモコさん
売れないと、焦っちゃうよね。

ですが、売却スケジュールを先に立てておくことにより、売れなくても焦らずに対処できるようになります。

「1ヶ月経っても売れなかったときは200万円の値下げをする」などのように決めていた売却スケジュールに沿って、行動するだけです。

売れなくても、「まだ1ヶ月経ってないから、値下げはしない」というふうに、落ち着いて売却に臨めるようになります。

モモコさん
なるほどー。これなら売れなくても焦らないね。
フドー先生
「1ヶ月以内に売れないことは想定内だ」って感じでね。

 

急な値下げの提案をされなくなる

売却スケジュールを立てていないと、値下げの額やタイミングが場当たり的になってしまいます。

物件が売れないとき、

「売れませんね。ではそろそろ300万円ほど値下げしましょうか」

というように、いきなり担当者から値下げの提案を受ける場面も出てくるでしょう。

そんな提案をされると、

「そんなに値下げをしていいのか?」

「もうちょっと待てば売れるのでは?」

などといろいろな思いや不安が募ってしまいますよね。急な値下げの提案に、一体どうしたらいいのかわからなくなってしまいます。

モモコさん
担当者に対する疑いの気持ちも出てきそう。

でも、値下げの額やタイミングなどをあらかじめ設定しておくことにより、計画的に値下げをおこなうことができるようになります。

「急な値下げの提案」自体、されなくなります。

フドー先生
そもそも業者が「急な値下げの提案」ばかりをするということは、売却スケジュールをきちんと立てられない、または立てる気がないという証拠だよ。

売却スケジュールを立てる手順

それでは、売却スケジュールを立てる手順を説明しましょう。

  1. 売却期間を決める
  2. 値下げの額とタイミングを決める
モモコさん
これって、売主がひとりでおこなうの?
フドー先生
いや、もちろん不動産会社と相談しながら決めることになるよ。

 

1.売却期間を決める

まずは、売却期間を決めましょう。「いつまでに売らなければいけないか」という期限です。

「引っ越しの時期が決まっているので、3ヶ月がリミット」
「新居の購入代金に充てたいので、2ヶ月以内に売却したい」

などのように、売却にかけることのできる時間は人によってさまざまでしょう。引っ越しの時期や資金面の都合などを考慮して、期限を設定します。

モモコさん
期間が決まっていない場合は?

「特に期間は決まっていない」という場合は、「希望通りの価格で買ってくれる人が現れるまで余裕を持って待つ」という戦略をとることができます。

ですが、それでもあえて3ヶ月ほどを目安に売却期間を設定することをオススメします。

モモコさん
なんで?
フドー先生
いつまでも売れ残っている物件は、それだけで価値が下がってしまうからね。

不動産売却は「鮮度」が大事です。売れ残ってしまってはどんどん売れにくくなってしまいます。

不動産が売れやすい時期は一般的に3ヶ月以内と言われています。期間に余裕がある場合でも3ヶ月を目安に設定しておきましょう。

 

2.値下げの額とタイミングを決める

売却期間を決めたら、次は「値下げの額」と「値下げのタイミング」を決めます。

これらをあらかじめ決めておくことで、計画的に値下げをおこなえるようになります。

「売却を開始して、◯週間経っても売れなかった場合は◯百万円値下げをする」といった具合です。

値下げの額を決める際に参考にするのが、適切な売り出し価格を設定するための「3つの価格」の記事で紹介した「最低ラインの価格」です。

何度値下げを繰り返したとしても、この「最低ラインの価格」を割ることがないように値下げの額を設定します。

フドー先生
これは感情を入れずに、機械的に設定しよう。

適切な売り出し価格を設定するための「3つの価格」の記事で設定した売り出し価格は2800万円、「最低ラインの価格」は2000万円でした。

この場合「2800万円で売り出しをスタートさせ、どれだけ値引きをしても2000万円はキープする」ということです。

これを参考に、「1ヶ月経った時点で300万円の値引きをし、2ヶ月経った時点で300万円の値引きをし、3ヶ月経った時点で200万円の値引きをする」というようにスケジュールを立てます。

フドー先生
「2800万円から2000万円」の間で売却できるようにね。
モモコさん
なるほど!ここまで計画を立てれば、売れなくても焦らずにいられるね。

業者や担当者の手腕が問われる

今回説明した売却スケジュールや売り出し価格は、担当についてくれた営業マンと相談して決めることになります。

「時間をかけてでも、高く売りたい」
「引っ越しが決まっているので、できるだけ短期決戦」

このように、売主によって事情や希望はさまざまです。売主個人の事情や要望にフィットした、最適な売却スケジュールを提供できるかどうかが、業者の腕の見せ所です。

フドー先生
すぐれた業者なら、きっとあなたにピッタリの売却プランを提案してくれるはずだよ。

 

複数の業者に売却スケジュールを立ててもらって比較する

モモコさん
もし、きちんと売却スケジュールを立ててくれなかったら、どうしたらいいの?
フドー先生
そうならないように、複数の業者に売却スケジュールを立ててもらうといいよ。

複数の業者に売却スケジュールを立ててもらい、その中からもっとも妥当と思われるプランを提供してくれた業者を選ぶと良いでしょう。

比較する際に、ここをチェックしましょう。

  • 売主の事情をよく聞いてくれ、それを反映させてくれているか?
  • 提案内容から、経験の豊富さがうかがえるか?

売主にふさわしい売却スケジュールを立てるには、当然ながら売主の事情によく耳を傾ける必要があります。

また、経験豊富な担当者なら、打てば響くように素晴らしい売却のアイデアを提供してくれるはずです。

どんどん要望を伝えて、きちんと汲み取ってくれる懐の広さとスキルを兼ね備えているかどうか、チェックしましょう。

フドー先生
話をまともに聞いてくれない担当者、経験が浅く提案が弱い担当者は切っていこう。

まとめ

査定価格(さていかかく)

不動産会社が物件に対して「これぐらいで売れるだろう」と予測する価格です。

不動産査定をおこなうことによって算出されます。売り出し価格を決めるためのベースになるので、非常に重要です。

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売り出し価格(うりだしかかく)

不動産を売るときに一番最初につける価格です。

査定価格をベースに、売主の「いくらで売りたい」といった希望や「早く売りたい」「高く売りたい」といった方針などと照らし合わせながら決めます。

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