住み替えをしようと思うんだけど、売却が先?それとも、購入が先?どっちから進めればいいんだろう・・・ |
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住み替えを考えている人にとって大きな疑問となるのが、「売却」と「購入」の順番をどうするのか、ということではないでしょうか。
先に売却してしまっては住む家がなくなるし、先に新居を買うと家を2つ持つことになるし・・・
「売却」と「購入」の順番がわからないままでは、何も手につかないという状況になってしまいかねません。
しかし、「売却」と「購入」のどちらを先におこなうべきかを決めるポイントさえ押さえておけば、迷うことはありません。自分にとってふさわしい順番を見つけることができます。
ここでは、住み替えの際の売却と購入の順番をどのように考えていけばいいのかを説明します。
目次
資金状況にあわせて決める
自宅を先に売却してから新居を購入することを売り先行 ?、新居を購入してから自宅を売却することを買い先行 ?といいます。
では、住み替えをする際に「売り先行」と「買い先行」、どちらを選ぶべきなのでしょうか?
じつはこれには、「どちらが正しい」「どちらが得」という答えはありません。
資金状況やプランに沿って、自分にとってふさわしいほうを選べばいいのです。
ひとくちに「住み替え」と言っても、その状況や要望は人によって様々ですよね。資金が豊富にある人、ない人。次に住みたい家が決まっている人、決まっていない人。
結論から言うと、資金に余裕がある人は「買い先行」、余裕がない人は「売り先行」を選ぶといいでしょう。
その理由を説明する前に、まずは「売り先行」と「買い先行」のそれぞれのメリットやデメリットなど、特徴をよく把握しておきましょう。
売り先行と買い先行の特徴
「売り先行」を選んだときと「買い先行」を選んだときに、それぞれどんなメリットとデメリットがあるのか、まとめました。
■「売り先行」のメリット- 売却によって資金を得られるので住み替えの計画を立てやすい
- 売却代金をローン返済に充てることができる
- 売り急ぐ必要がないので、高く売れるチャンスをつくれる
- 仮住まいをしなければならない可能性がある
- 居住中での内覧になってしまう
- 引っ越しを2度おこなわないといけない
- じっくりと新居を探せる
- 仮住まいをしなくてもよい
- 空き家の状態で内覧をおこなえる
- 新居の購入資金を準備しなければいけない
- 売り急いで、売値を下げてしまうかもしれない
- 住宅ローンを二重に組まなければいけない可能性がある
では、少し見方を変えて「資金」「売却活動」「引っ越し」という側面から、両者を比較してみましょう。
売り先行 | 買い先行 | |
---|---|---|
資金 |
|
|
売却活動 |
|
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引っ越し |
|
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資金に余裕がないなら「売り先行」
資金
手元に資金がなく、じっくりと堅実に資金計画を立てたいなら、「売り先行」を選ぶべきです。
先に家を売ることによってお金を得られるため、計画を立てやすくなります。
また、売却によって得たお金をローン返済に充てることができるので、ローンを二重に組む必要もありません。
現在の家のローンをきちんと終わらせたうえで、新居のローンを組むことになります。
売却活動
「売り先行」で進めた場合、次に住む家をまだ購入していないので、現在の家で普通に生活をしながら売却活動をおこなえます。
急いで売る必要がないので、希望の価格で売れるまでじっくりと取り組むことができます。
その一方、購入希望者が家を見に来る内覧 ?をおこなうときに、「空っぽの状態を見せてあげられない」というデメリットもあります。
ただし、購入希望者のすべてが、空き家の状態の家を見たいというわけではありません。
中には「居住中の状態を見たい」という買主もいます。居住中のほうが、実際に家具を置いた感じや生活感をイメージしやすいから、という理由によります。
「売り先行」で進めたいけど、どうしても居住中の内覧をしたくないという場合は、賃貸に仮住まいをして空き家にするという手段もあります。
引っ越し
「売り先行」の場合、「売れたけど次に住む家がない」という状態になりがちです。
次の家が見つかるまでは賃貸での仮住まいをすることが多いです。そうなると仮住まいのための費用が必要になりますし、引っ越しを2回おこなうことになります。
でも、そもそも「新居を購入する予定がなく、賃貸に住みたい」のであれば、仮住まいの問題はなくなります。
また、仮住まいの良い点としては、「じっくりと頭金を貯めてから新居を買うことができる」ということが挙げられます。
ローンの借り入れを少しでも減らしたいなら、仮住まいをしながら頭金をしっかりと貯めればいいでしょう。
資金に余裕があるなら「買い先行」
資金
「買い先行」は「売り先行」に比べ、資金計画が立てにくくなります。家がいくらで売れるかが確定する前に家を購入しないといけません。
家がいくらで売れるかは、売ってみないとわかりません。不動産会社に査定 ?をしてもらうなどして「売却価格 ?の予想」をすることはできますが、あくまでも結果はどうなるかわかりません。
また、旧居のローンが残っている状態だと、新居のローンと二重債務になる恐れがあります。
売却活動
「買い先行」で先に新居を購入すると、旧居が売れるまで二重ローンの状態が続いてしまいます。
この状態を解消しようとするため、売り急いでしまいがちです。
早く売却するためにもっとも効果的なのは「値下げ」です。値段が下がると買主がつきやすくなります。
安い価格での売却になってもダメージがないぐらい資金が豊富なら、売り急いで値段を下げても問題ありませんが、できるだけ高く売却したいなら「買い先行」は向いていません。
また、確実に売却をしたいなら「買取り」を選ぶのもありです。「仲介」とは違って不動産会社が直接買い取ってくれるので、即時に売ることができます。
その代わり、「買取り」は市場価格より低い価格での売却になってしまいます。ですが、どうせ「仲介」で値下げをして売却するなら、さっさと買い取ってもらったほうが良いかもしれません。
引っ越し
「買い先行」で進めた場合、「売り先行」の場合のように仮住まいをする必要がなく、引っ越しも1回で済ませることができます。
また、明け渡しの時期を気にする必要がないために新居をじっくりと探すことができるのが大きなメリットです。
「売り先行」を選択してなおかつ「仮住まいをしたくない」場合だと、家の売却が決まれば明け渡しの時までに急いで新居を探さないといけません。
次に住みたい家がある場合は「同時進行」
「売り先行」と「買い先行」について見てきましたが、決め手は「資金に余裕があるかないか」です。
資金に余裕があれば「買い先行」を選ぶこともできますが、それでも「売り先行」を選ぶ人も多いです。
そして、3つ目の手段として「同時進行」というものもあります。すでに次に住みたい家が決まっている場合は、「売却」と「購入」を同時に進めるのもありです。
ただでさえやることが多いことを同時におこなうのですから、当然、慌ただしくなりますし、意識が分散されてしまうリスクもあります。
ですが、「売却」と「購入」を同じ不動産会社に任せることで、タイミングを合わせやすくなりますし、相談もしやすくなります。
「売り先行」と「買い先行」の詳細な手順については、こちらの記事をごらんください。

まとめ
- 資金に余裕がないので堅実に住み替えをおこないたい
- 新居の購入資金を得るため、できるだけ高く売却したい
- 新居が見つかるまでは仮住まいをしてもいい
- 資金に余裕があるので二重ローンになってもかまわない
- すでにローンを返済済み
- 高く売却できなくてもいい
- 「ペットを飼っている」など、賃貸の仮住まいができない
- 新居をじっくりと探したい