近隣トラブルで家を売りたい。トラブルのことは伝える必要がある?(書きかけ)

Q.

家の売却を考えています。理由は近隣トラブルです。

一昨年に新築をして入居したばかりなのですが、隣に住んでいる50代の無職っぽいおじさんとの間でトラブルが起きています。

トラブルの原因は、うちの生活音です。数ヶ月前、娘がピアノを弾く音や家飲みの際の談笑の声を注意されました。

そのときは申し訳ないと思い、謝りに行きました。ところが、それから徐々に苦情がエスカレートしてきました。

日中、昼寝をしているだけなのに「生活音がうるさい」と、よく大きな声で怒鳴ってきます。警察沙汰にもなったこともあります。

「怒鳴り声のせいで娘がトラウマになるのではないか?」「娘に危害でも加えられるんじゃないか?」と心配で仕方がありません。小学校に入る前に引っ越ししたいです。

そこで売却を考えているのですが、このような近隣トラブルにあっている場合、売る際にはこのことを説明する必要があるのでしょうか?それとも黙って売ることはできますか?

また、近隣トラブルがあるということを伝えた場合、やはり売れなくなるものでしょうか?

ちなみに、引っ越し先は実家です。実家に空いている部屋があるので、間借りさせてもらおうと考えています。家のローンがまだまだ残っていますし、新居を手配する余裕はありません。

近隣トラブルがあった家でも、高く売れる?

まず、Aさんの状況を整理してみましょう。

  • 一昨年に建てた新築の戸建てを売却したい
  • ピアノの音や笑い声に対して隣のおじさんに苦情を言われた
  • 苦情がどんどんとエスカレートしてきた
  • もうすぐ小学生になる娘のことが心配
  • 実家に余ってる部屋があるので、間借りさせてもらう予定

Aさんの質問は以下の通りです。

  • 売るときに「近隣トラブルがある」ということは伝える必要がある?
  • 隣家にこのようなうるさい老人が住んでる家は、売れる?

隣に住んでいるおじさんの苦情にビクビクしながら、音を立てないように窮屈な思いで生活をしているAさん。

小さな娘さんのためにも、もっとのびのびとした生活を送りたいと考えています。

せっかく家を建てたのに、2年で売却せざるを得ないというのはきっとつらいことでしょう。せめて高く売却することができれば・・・という思いがあるのではないでしょうか。

「でも、近隣トラブルがあるということを伝えると、高く売れないのでは?」

「もしそうであるなら、近隣トラブルのことを伝えずに売りたい」

このように悩んでおられということです。

売るときには伝える必要がある

今回のAさんのケースのように、近隣トラブルに巻き込まれたという事情がある場合、売却する際には明言する必要があります。

「生活音に対して、隣人が怒鳴りこんできた」「毎日のようにすごい勢いで苦情を入れられている」ということを伝えたうえで、売る必要があるのです。

モモコさん
近隣トラブルなんて、どこにでもあるじゃない。売るときにわざわざ言わなくてもいいんじゃないの?
フドー先生
ところが、そういうわけにもいかないんだ。

近隣トラブルは「瑕疵」にあたる

なぜ近隣トラブルがあったことを伝えないといけないのかというと、近隣トラブルは「瑕疵(かし)」にあたるからです。

モモコさん
瑕疵?
フドー先生
瑕疵とは、簡単に言うと「欠陥・きず」のことだよ。

たとえば「雨漏りがする」や「シロアリが出る」「柱が傾いている」などの家の欠陥は「瑕疵」に相当します。

それらがあるということに自分が気づいていた場合、黙って売るわけにはいきませんよね?

モモコさん
うん、それはわかる。でも、近隣トラブルは話が違うんじゃないの?

たしかに、ただの近隣との人間関係のもつれであれば黙っていても問題ありませんが、このケースのように隣人が異常なほどのクレーマー体質である場合、次に住んだ人にも悪影響を与えかねません。

このような場合は瑕疵に該当するので、売却の際にはきちんと告知する義務があります。

モモコさん
「隣の老人とのトラブル」のせいで、欠陥住宅扱いか・・・。
フドー先生
物理的な瑕疵に対して「心理的瑕疵」というんだ。他の心理的瑕疵としては、その家で事故があったとか、自殺したとかだね。

売ったあとに瑕疵が発覚すると損害賠償の対象に

売主はまず、売却を依頼している仲介業者に瑕疵について伝えなければいけません。

そして売買契約を結ぶ際に、仲介業者が買主に対して瑕疵があることを説明することになります。

「生活音にまつわる隣人とのトラブルがありました」と説明したうえで、それでも契約をするかどうかを確認するのです。

モモコさん
もし、瑕疵を買主に伝えなかったらどうなるの?

「瑕疵がある」ということを認識しているにもかかわらず、故意に買主に伝えなかった場合は、損害賠償の対象になります。

そんなこと、買うときに聞いてなかった!
こんな人が隣に住んでるってはじめから知ってたら、買ってなかった!

もし「瑕疵がある」ということを伝えられずに買主が家を買って住み始め、瑕疵があることが発覚すると、買主は売買契約をキャンセルすることができます。

モモコさん
売買契約が成立したあとなのに、無効にされるのか!
フドー先生
買ったほうの気持ちを考えると当然だよね。欠陥があるにもかかわらず、知らされてなかったんだから。

なので、まずは売主としては瑕疵があることを仲介業者に伝えることを忘れないようにしましょう。

参考までに、事例が掲載しているページを紹介しておきます。

https://c-1012.bengo4.com/c_11/c_1752/c_1755/b_241187/

瑕疵を伝えたうえで売ることはできる?

「瑕疵がある」ということは当然マイナスポイントです。瑕疵がある家を進んで買う人はいません。

「隣のおじさんとの間でトラブルがあった」ということを伝えることによって、売れにくくはなるでしょう。

モモコさん
じゃあ、売却はあきらめるしかないの?それとも、安く売るとか?
フドー先生
いや、工夫次第では売れるだろう。

 

空き家にしてから売る

たとえば、空き家にすれば売れる可能性が高くなります。

家を売る際には「居住しながら売る」「空き家にしてから売る」という2つの選択肢がありますが、一般的には空き家にしてから売る方が早く高く売れる場合が多いです。

居住中よりも空き家のほうが、内覧 ?をするときに買主が煩わしい思いをしないで済むからです。

フドー先生
買主にとって、空き家のほうがじっくりと家を見学できるから喜ばれるんだ。
モモコさん
でも、空き家にするためには、次に住む家を先に用意しないといけないよね?

空き家にしてから売るという方法は、金銭的にハードルが高いのがネックです。先に新居か仮住まいの家を探し、引っ越しをしないといけないからです。

ところが質問者のAさんの場合、「実家を間借りすることができる」とのことです。つまり、新居を買う費用も時間もかからないということです。

モモコさん
あ、そうか!

実家の都合さえつけば、すぐにでも引越しをすることができるわけです。

とにかく先に引越しをして空き家の状態にし、じっくりと売却をおこなうことをすすめます。

フドー先生
隣人のストレスを抱えながら売却するのも大変だろうしね。

参考までに、「居住中」と「空き家」での家の売り方の違いについてはこちらの記事をごらんください。

居住中と空き家では、どっちが家を売りやすい?
家を売るとき、居住中と空き家とでは、どっちが売りやすい? 「空...

 

不動産会社に相談する

過去に同様のケースを扱って売却した実績がある業者を選ぶ

内覧(ないらん)

物件の購入を検討している人が、実際に物件を訪問することです。

「内覧」の詳細を見る