離婚することを考えています。今住んでいる家を売ろうと考えているんですが、悩みがあります。
それは、「今の家を売る」のが先か、「新居を決める」のが先か、ということです。
離婚した後、旦那は自分の実家へ帰る予定です。私は中学二年生の息子と、賃貸アパートを借りようと思っています。
この場合、まずは家を売る前に賃貸アパートを探さないといけないですよね?
そこが決まって引越ししてから、家を売る手続きを始める・・・という手順で良いのでしょうか?
ただその場合、買主が見つかるまでは賃貸の家賃を支払いながら家のローンを返すことになると思います。
「新居の家賃」と「家のローン」を二重に支払うのは、私には苦しいです。であるならば、先に売却をするべきなのでしょうか?
ですがそうなると、買主さんが「家の中を見せてください」と見学に来る時、住んでいる家の中を案内することになると思います。
一体、「売却」と「新居探し」のどっちから始めれば良いのでしょうか?
目次
家を売るのが先?新居探しが先?
まず、Aさんの状況を整理してみましょう。
- 離婚することを考えている
- 離婚をした後、息子(中2)と安いアパートに引っ越す予定
- 旦那は実家に帰る
そして、Aさんはこのように悩んでいます。
- 「今の家を売る」のと「新居を決める」の順序がわからない
- 先に新居を決めると支払いが二重になる
- 先に売却しようとすると住んでいる家を案内することになる
「今の家の売却」と「新居探し」をどちらを先におこなうか、ということはよくある悩みです。
それぞれにメリットとデメリットがあるので、自分の状況や要望に合わせて最適な方法を選ぶ必要があります。
資金に余裕がないなら「先に売却」
「今の家を売却する」か「新しい家を決める」かを決める基準は、ズバリ「資金に余裕があるかどうか」です。
資金に余裕がないなら、「先に今の家を売却する」一択になります。
Aさんが心配している通り、先に新居を探して住んでしまうと、家賃とローンで支払いが二重になってしまいます。
貯蓄がたくさんある人や、すでにローンを返済済みの人なら「先に新居を探して住む」という選択もアリですが、そうじゃない人は無理をしてはいけません。
中学二年生の息子がいることを考えると・・・
Aさんの場合、まだ家のローンが残っています。さらに食べ盛りの中学二年生の息子がいることを考えると、食費もかさむことでしょう。
高校受験に向けて進学塾に通わせているのであれば、そのための費用も捻出しないといけないですよね。なにかと出費が多くなる時期です。
また、旦那さんから養育費がどの程度送られてくるのかはわかりませんが、別れたあとはAさん1人で息子さんを養っていくことになるのです。
そのような事情を考えると、おそらくAさんには家賃とローンの二重の支払いをするほど余裕はないと思われます。
住みながらでも売却はできる
「住みながらでは売れにくいのでは?」「見学に来た人が、買いたいと思わないのでは?」とAさんは心配しているようですが、一概にそうとは言い切れません。住みながらでも家の売却は可能です。
たしかに空き家の状態にしたほうが売れやすいというのは事実です。空き家での内覧を希望する人は多いです。
ですが、多くの人が住みながら売却活動をおこない、売却が成立しているというのも事実です。
何を重視して購入するかは、人それぞれです。たとえば、立地や周辺環境で決める人もいますし、間取りや設備で決める人もいます。
内覧をおこなう前の段階でほぼ購入を決めていて、「最後の確認」として内覧に来るという人もいます。
そのような人にとっては、居住中だろうが空き家だろうが関係ないのです。むしろ、「居住中のほうが生活感をイメージできる」ということで、居住中の内覧を希望する人もいるのです。
引き渡しと引っ越しのタイミングを合わせるには
先に家を売るとして、もうひとつ問題なのが新居への引っ越しのタイミングです。
家を売ることが決まったら、買主に引き渡すまでに新居を見つけなければいけません。
Aさんの場合、中学生の息子さんが転校しなくても済むように、おそらく校区内で新居を探されるのではないでしょうか。
校区内だけに限定して家を探すとなると、見つかるまで時間がかかるかもしれません。引き渡しのタイムリミットを気にするあまり、妥協してしまったり校区外に引っ越さないといけないハメになるかもしれません。
それは、「売却」と「新居探し」の不動産会社を一緒にするということです。
「売却」と「新居探し」の不動産会社を一緒にする
売却」と「新居探し」の不動産会社を別々にすると連携を取るのに手間どり、引き渡しのタイミングと引っ越しのタイミングにズレが生じてしまいます。
家の売却を仲介してもらう不動産会社に新居探しの仲介をしてもらうことにより、スムーズに住み替えをおこなうことができるようになります。
たとえば、売却を依頼する際に賃貸アパートに住む意向を伝えておくことによって、売却と新居探しを同時並行でおこなってもらえます。
不動産会社にとっては仲介手数料を2度受け取れるオイシイ仕事になるため、全力で取り組んでくれるはずです。
売却と新居探しを同じ不動産会社に依頼することにより、「賃貸アパートに引っ越しをする日程に合わせて引き渡しをおこなう」など、スケジュール調整に融通を効かせることができます。
もちろん、引き渡しの日程を調整するには、買主の同意も必要です。腕の良い担当者なら、うまく交渉してくれるでしょう。
これにより、慌てて新居探しをして失敗する心配も不要です。
売却の成否は不動産会社と担当者で決まる
今回のAさんのケースで、押さえるべきポイントをまとめてみましょう。
- 住みながら売却する
- 売却と新居探しを同時に進める
- 引き渡しと引っ越しのタイミングを合わせる
この3つのポイントを押さえることによって、Aさんは 無駄にお金をかけずに住み替えをすることができ、息子さんを転校させることもなく、しかも新居探しにじっくりと取り組めるようになります。
ただし、この3つのポイントを見事クリアするのは簡単なことではありません。そのカギは「不動産会社選び」にあります。
しっかりと要望や事情を聞いてくれて、売主のために奔走してくれる業者を見つけなければ、Aさんの望みを成就させるのは難しいでしょう。
難しい専門的なことは不動産会社とその担当者に任せるとして、売主であるAさんが注力すべきことは不動産会社選びです。この一点だけを誤らないように気を配りましょう。
また、Aさんは「離婚」というプライベートな事情を抱えているので、できれば誰にも知られずに売却をしたいと考えておられるかもしれません。
しかし、信頼できる業者が見つかったのであれば、離婚のことも包み隠さず伝えましょう。それにより、最適なアドバイスをくれるはずです。
