空き家にしないと家は売れない?仮住まいを勧められて困っています

Q.

家を売却しようと思い、不動産屋と媒介契約 ?を結びました。

ところが、その不動産屋が「賃貸へ引っ越す」ことばかりを勧めてきて困っています。

「一旦賃貸へ仮住まいをして、空き家の状態にしたほうが売りやすい」のだそうです。そのため、わたしに仮住まい用の賃貸の物件ばかりを紹介してきます。

家を売り出して、まだ3週間です。これからまだまだ売れるチャンスはあるのでは?と思っています。

わたしにはまだ家のローンが残っているので、仮住まいの賃料まで支払うとなると経済的に苦しいです。引っ越し代もかかります。

お金がないので、先に家を売って、その資金で新居の購入を考えています。仮住まいなんて考えられません。

本当に、空き家にしないと売れないのでしょうか?どうすればいいのでしょうか?

本当に空き家にしないと家を売れないの?

まず、Aさんの状況を整理してみましょう。

  • 売り出して3週間しか経っていない
  • 不動産屋から、賃貸への仮住まいを勧められて困っている
  • 「空き家にしたほうが売りやすい」と言われている
  • 無駄なお金を使いたくないので、仮住まいはしたくない

家の売却を依頼している不動産屋から、仮住まいを勧めらているAさん。

仮住まいをすると当然、その分の賃料を支払わないといけなくなります。まだ家のローンも残っているAさんは、賃料まで支払う余裕などないとのこと。

モモコさん
仮住まいをするということは、家が2つになるということだもんね。

「本当に空き家にしないと売れないものなのか?空き家にするべき?」

仮住まいをせず、居住しながら売却をしたいAさんは、このように悩んでいるということです。

空き家にしなくても家の売却はできる

結論からいうと、空き家にしなくても家の売却はできます。

むしろ、空き家にしてから売却する人のほうが少ないです。経済的なリスクを減らすために居住しながら売却をする人が大多数です。

フドー先生
それでも売却は十分可能だよ。

では、なぜその不動産会社はAさんに仮住まいを勧めるのでしょうか?

その真意は「賃貸による仲介手数料 ?を取りたいから」です。

賃貸による仲介手数料を取ろうとしているだけ

モモコさん
賃貸による仲介手数料?

Aさんに仮住まい用の賃貸住宅を紹介し、契約をすると不動産会社は仲介手数料を手にすることができます。

不動産会社にとって、「賃貸住宅を紹介する」ということは「家を売る」ことに比べ、はるかに簡単に収益を得られる方法なのです。

売れるかどうかもわからないAさんの家を必死で営業するより、Aさんに賃貸を紹介するほうが費用対効果が高い「オイシイ仕事」というわけです。

モモコさん
だからしつこく仮住まいを勧めていたのか・・・。
フドー先生
手軽にサクッと、儲けを出すことができるからね。

ハッキリ言って、Aさんは「業者選び」の段階で失敗をしています。このような業者とは手を切って、別の業者に依頼するべきです。

この業者にはあと2つ問題があります。

  • 売主の意向を無視している
  • 空き家にしないと売れないスキルの低さ

売主の意向を無視している

そもそもAさんは資金に余裕がないからこそ、「先に売却をして住み替えの資金を得たい」と考えて仲介業者に依頼したはずです。

そんなAさんの気持ちも汲み取らず、自分たちの利益ばかりを優先して仮住まいへの引っ越しを勧める業者。

フドー先生
お金がない中で売却の依頼をしたのに、理由をつけて仮住まいの賃貸を勧めるなど問題外だよ。

このような、売主の意向を無視するいい加減な業者の言う通りになってはいけません。

モモコさん
もしAさんが、業者の言う通りに賃貸へ仮住まいをしたらどうなるのかな?それで売れる?

きっと、賃貸の仲介手数料を手にした業者は、まともにAさんの家の売却活動もせずに放置するでしょう。

フドー先生
賃貸の仲介手数料を取ることで目的達成だからね。時間も費用もかかる売却活動なんてしないだろう。

空き家にしないと売れないスキルの低さ

この業者のもうひとつの問題は、「空き家にしないと売れない」スキルの低さです。

「空き家のほうが売れやすい」というのは事実ですが、腕の良い業者なら空き家の状態にしなくても売却はできます。

フドー先生
むしろ、それが普通の売り方。

「空き家にしたほうが売りやすい」と言って何度も仮住まいを勧めるということは、売る力がない証拠です。業者自ら「我々の力では、空き家にしないと売ることができません!」と宣言しているようなものです。

そんな頼りない業者に依頼しても良いことはひとつもありません。

不動産会社を選び直す

以上のように、Aさんは契約するべき不動産会社を誤っています。

家の売却ができるかどうかは不動産会社にかかっています。不動産会社が頼りなければ、どれだけ良い家でも売れません。空き家にしても、売れません。

モモコさん
じゃあ、Aさんは不動産会社を選び直したほうがいいってことだね?
フドー先生
そうだね。二度とこんな会社に出会わないために、選び方のポイントを押さえておくことが大事だよ。

不動産会社を選ぶときには、次のようなポイントを押さえておきましょう。

  • 売主の要望を汲んでくれるか
  • 売却プランをきちんと提案してくれるか

売主の話をきちんと聞いてくれる不動産会社を選ぶ必要があります。当たり前のことのようですが、これができない会社がたくさんあります。

そしてもうひとつ大事なのが「売却プラン」です。売るための作戦ですね。不動産会社がこれをしっかり持っているかどうかで、売れるかどうかは決まります。

Aさんが契約した不動産会社は、「お金がないから、先に売却をしてから家を買いたい」というAさんの要望をまったく聞いてくれませんでした。

さらに、「居住しながら売却を進める戦略」を持っていませんでした。

モモコさん
だから、強引に仮住まいをさせようとしたんだね。

売主の要望や悩みを聞き入れ、その人にピッタリな売却プランを提案してくれる不動産会社を選ぶことさえできれば、あとは売れるのを待つだけです。

フドー先生
売る力がないばかりに、売主に無駄な努力を強いるような業者とは絶対に手を組むべきではないよ。しっかりと見極めよう。

まとめ

Aさんが取るべき行動は以下の通りです。

  • 現在契約している不動産会社と解約する
  • 不動産会社を選び直す

まず、いま契約している不動産会社と解約をしましょう。電話で解約することもできますが、のちのちのトラブルを回避するため、できれば書面に残せる形で伝えるほうが良いです。出向くのが面倒であればメールで大丈夫です。

あとは、不動産会社を選び直すことです。不動産会社の選び方については、当ブログで詳しく紹介していますので参考にしてください。

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媒介契約(ばいかいけいやく)

依頼主(売主)が「物件を売るお手伝いをしてください」とお金を払い、仲介業者との間で結ぶ契約のことです。

媒介契約には、一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約の3種類があります。



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仲介手数料(ちゅうかいてすうりょう)

仲介業者に支払うお金のことです。

物件を売り買いするお手伝い(仲介)をしてくれたことに対する報酬として、売主や買主が支払います。

「不動産の成約価格の3%+6万円+消費税」で計算します。

仲介手数料は成功報酬のため、売買が成立しなかった場合は支払う必要はありません。

「仲介手数料」の詳細を見る