
売却契約をしたあと、マンションの引き渡し期限を延期した際のペナルティについて質問です。
今住んでいるマンションがあるのですが、子供たちがみな成人して巣立って行き、夫婦二人だけが住んでいる状態です。
このたび、無駄に広くなったこのマンションを売却し、もっとコンパクトな住まいに引越しをしようかと考えています。まだ不動産会社には相談していません。
ただ、いくつか疑問と不安があり、なかなか売却に踏み出せないでいます。
まだ次に住む家を決めていないのですが、もし買主が見つかって売却が決まったあと、次に住む家が決まっていなかったらどうなるのでしょうか?
引き渡しをする日までに次の家が見つかっていなかった場合は、引き渡し期限を伸ばしてもらえるのでしょうか?
もし引き伸ばしてもらえるのなら、その際に違約金などを支払わなければいけないのでしょうか?
目次
引き渡し期限は延長できる?違約金は払うことになる?
まず、Aさんの状況を整理しましょう。
- 子供達が成人して巣立っていったため、家が広くなった
- 無駄に広くなったので、コンパクトな住まいに引っ越したい
- これから不動産会社に売却を依頼しようと思っている
そして、Aさんはこのような疑問を抱いています。
- 引き渡し期限を守れなかったら、契約違反で違約金が生じる?
- 引き渡し期限は延長できる?
夫婦2人で住むには広くなりすぎた家。
売却をしてもっと小さく、もっと安い家に住み替えようと考えるも、引き渡しのタイミングに疑問を持っておられます。
引き渡し期限までに新居が見つけることはできるのか?
もし見つからなかったら、どうなるのか?
違約金を支払わずに引き渡し期限を引伸ばす方法はあるのか?
これらのことが心配で、なかなか売却に踏み込めないでいる・・・という状況です。
引き渡し期限を守らないと違約金が発生する
結論からいうと、引き渡し期限が過ぎても引き渡しをしないでいると、違約金が発生します。
家の売買をおこなう際には、売買契約書 ?という書面の上で、売主と買主との間で引き渡し期限について約束を交わすことになります。
その約束を守れない場合は、契約違反となって売買契約が解除され、違約金が発生します。
引き渡し期限を守れなかったばかりに、せっかく苦労して取り付けた売買契約をキャンセルされてしまってはもったいないですよね。
そんなことにならないためにも、引き渡し期限についてよく理解しておきましょう。
違約金を支払うまでの流れ
引き渡し期限をすぎると、買主は売主に対して2・3日程度の期間を定めて「引き渡してください」と催告をします。
それでも売主が引き渡しをすることができなかった場合は、買主に違約金を支払うことになります。
引き渡しを守らなかったことに対する違約金は、契約の際に定めた額になります。また、それに加えて仲介手数料 ?を支払うことになります。
買主が延期に応じてくれた場合
売買契約の際に約束した引き渡し期限までに引き渡すのが原則ですが、買主の合意を得られたのであれば、期限の延長は可能です。
延長しなければいけない事情を買主に伝え、都合が悪くなければ了承してくれるかもしれません。
その場合は違約金を支払わずに済みます。
買主がどれぐらいの期間の延長に応じてくれるのかによって、動きは変わります。
1週間程度の遅延の場合
1週間程度の延長の場合、まず引き渡し日に残代金の一部(50万円ほど)を残して決済します。
そして同時に所有権移転登記をおこないます。
後日、残しておいた残代金と鍵を交換して引き渡しをおこないます。
1ヶ月以上の遅延の場合
1ヶ月以上の延長に買主が応じてくれた場合は、現在の住居に留まってもらうことになります。
ただし、引き渡し期限の延長によって「買主に発生した損害」については、売主が負担しなければいけません。
たとえば、当初「2月に引き渡しをする」という約束を契約で交わしていたとしましょう。
2月の引き渡し日に合わせ、買主であるBさんは賃貸の契約を2月で解約するつもりでした。
ところが、売主であるAさんから1ヶ月の延長を頼まれ、仕方なく承諾することに。
そのため、Bさんは3月も現在の家に留まることになりました。
Aさんの都合で引き渡し期限を伸ばしたので、Bさんの3月分の家賃はBさんにとって「損害」ですよね。
この場合、3月分の家賃は買主に代わって売主が負担するべきです。
引き渡し期限は守ることが鉄則
これまで説明してきたことをおさらいしておきましょう。
まず、引き渡し期限内に引き渡しをしなかった場合、違約金が発生します。
そして、もし買主が期限の延長に応じてくれたとしても、そのために買主が被ることになった損害は売主が負担することになります。
つまり、どちらにしても「引き渡しの期限を守らないと売主は損をする」ということです。
そのような場合は、賃貸マンションなどで仮住まいをしながら新居を探すのが一般的です。
仮住まいに転居しながら新居を探す
先に家を売却する方法を売り先行 ?といいますが、売り先行をおこなう上で仮住まいをすることは一般的な方法です。
一時的に賃貸マンションやマンスリーマンションに住みながら、新居を探すことになります。
住み替えをおこなうときは、あらかじめ仮住まいをすることを想定して計画を立てましょう。そうすることで、引き渡し期限を気にして焦る必要もなくなりますし、延長して違約金を支払う必要もなくなります。
引き渡し期限を引き伸ばしてペナルティを受けるよりは、仮住まいをするほうがよほどマシです。
買主に迷惑をかけることもありませんし、トラブルが起こることもありません。
- 引き渡し期限までに引き渡しを済ませる
- 仮住まいをしながら新居を探す
住み替えをおこなう際には、ここをしっかりと理解しておきましょう。
買い先行の場合は仮住まいをする必要がない
仮住まいをする必要があるのは、売り先行の場合だけです。買い先行 ?の手順で住み替えをおこなう場合は、仮住まいをする必要がありません。
ただし、買い先行は先に新居を購入するための資金を用意しておく必要があります。
資金に余裕があって仮住まいをしたくないという場合は、買い先行の手順で進めるといいでしょう。
詳細は、こちらの記事をごらんください。

