マンション売却をするとき、駐車場を付けてあげるべき?

Q.

マンションの売却を検討しています。

まず退去して空き家にしてから売却しようと考えています。

「居住しながらの売却より、退去してからの売却するほうが売れやすい」と聞いているからです。

そこで、ひとつ問題があります。それは契約している駐車場のことです。

退去してから売却した場合、退去した時点で駐車場も解除することになります。

そうなるとマンションの他の住民に駐車場を取られる可能性があります。もし駐車場が取られてしまうと買主にとっては「駐車場のない物件」になってしまい、価値が下がってしまいます。買ってもらえないかもしれません。

やがて現れるであろう買主のために、私の退去後も駐車場を契約し続けるべきでしょうか?

もし退去後すぐに買主と売買契約を結ぶことができるのであれば、買主が入居するまで私の負担で駐車場をキープし続けてあげてもいいのですけど、必ずしもすぐに買主が現れるという保証はありません。

いつ買主が現れるかもわからないのに、駐車場を契約し続けるのはお金がもったいないです。

ちなみに、この地域は車がないと不便です。よって、駐車場が付いていない物件は売れないような気がしています。

どうするべきでしょうか?

買主のために駐車場付きで売るべき?

本題に入る前に、まずはAさんの状況を整理しておきましょう。

  • マンションを退去してから売却する予定
  • 駐車場を契約している
  • 車がないと不便な地域

Aさんが抱えている悩みは以下の通りです。

  • 車が必須な地域なので、駐車場付きじゃないと売れないのではないか?
  • そのために、自分が退去したあとも、買主のために駐車場をキープするべきか?

駅やバス停が近い都会なら車がなくても便利ですが、郊外となると車での移動が必須になります。

そのため、マンションを購入する人も「駐車場が付いているかどうか」ということは重視するようになります。

フドー先生
特にファミリー向けのマンションならなおさらね。

そのような事情を踏まえ、Aさんは「駐車場付きの状態で売りたい」と考えています。

モモコさん
優しいね。

駐車場付きの状態で売却をするために、自分がマンションを退去した後も駐車場を契約し続けるべきか?という相談です。

駐車場の権利は引き継げないことが普通

Aさんは「駐車場付きで売却したい」と思っているようですが、まず考えないといけないのは、そもそも「中古マンションを駐車場付きで売ることはできるのか」ということです。

結論から言うと、「一般的にはできない」ということになります。

駐車場賃貸契約の権利を次の住人に継承することはできないのが普通です。よって、「全戸駐車場付き」や「専有駐車場」でない限り、駐車場付きで売ることはできません。

フドー先生
マンションの売買と、駐車場の契約はセットにすることはできないんだ。

ただし、例外もあるかもしれないので、まずは駐車場付きで売れるかどうかを管理会社に確認をしてみましょう。

居住中での売却を検討してみる

「駐車場付きで売却ができない」となると、Aさんにとっての最善策は「居住しながら売却する」ということになります。

Aさんが退去してから買主が見つかるまでの間が長ければ長いほど、駐車場が他の住人に取られる可能性が高くなります。

駐車場を他の住人に取られないようにするためには、「Aさんの退去」と「買主の入居」のタイミングを近づけるしかありません。

そのためには「居住中での売却」をおこなうのがベストということです。

モモコさん
でも居住中では売れにくいんでしょ?だから、Aさんも空き家での売却を希望しているんじゃないの?

Aさんがおっしゃっている通り、たしかに「空き家にしたほうが売れやすい」というのは事実です。

  • 内覧の日程を決めやすい
  • 売主が立ち会わないので、気を使う必要がない
  • 時間をかけてチェックできる
  • 部屋の隅々までチェックできる

これらの理由により、中古マンションを買いたいと思っている人の多くが、「居住中」ではなく「空き家」の家を買いたいと思っています。

ですが、住み替えをおこなう人の多くが居住しながら家を売却しています。売り先行 ?という手順ですね。

フドー先生
売り先行でも問題なく売れるよ。

居住しながら売れるかどうかは不動産会社次第

Aさんが抱いている「居住中では売れにくい」という心配は、まったく無用です。

家が売れるかどうかは、不動産会社次第です。どの不動産会社と契約するかによって決まります。

売主の立場に立ってくれる優良な不動産会社と出会うことさえできれば、居住中でも売却は可能です。

フドー先生
問題は、不動産会社選びが難しいということ。

世の中にはたくさんの不動産会社が存在しますが、その全てが良い会社とは限りません。表面的には良い顔をしておきながら、利益を得ることばかりを考えている会社もたくさんあります。

当ブログでは、売主の味方になってくれる不動産会社をどのように選べば良いのかを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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まとめ

Aさんが取るべき行動は、以下の通りです。

  1. 「駐車場賃貸の権利を買主に引き継げるか」を管理会社に確認する
  2. 無理なら、居住しながらの売却を検討する
  3. 居住しながらでも売却してくれる不動産会社を選ぶ

管理会社に確認した結果、もし「駐車場賃貸の権利を買主に引き継げる」のだとしても、買主が見つかるまで駐車場を契約し続けるには資金が必要になります。

お金をかけたくないなら、居住しながらの売却をおこなうべきです。

また、不動産会社を選ぶ際に「駐車場を買主に確保してあげたい」という旨を相談してみると良いでしょう。

もしかしたら良いアイデアを提案してくれるかもしれませんし、その返事次第で契約を結ぶかを決めれば良いでしょう。

フドー先生
「売主の要望や悩みを汲み取ってくれるかどうか」は、業者選びで大きなポイントだからね。
売り先行(うりせんこう)

住み替えの際に、新居の購入よりも先に今の住まいを売却する手順のことです。対して、先に購入する手順を「買い先行」といいます。

「売り先行」には資金計画を立てやすいというメリットがあり、住み替えをおこなう人の多くが売り先行の手順で進めています。

「売り先行」と「買い先行」のステップの違いは以下の通りです。